抗真菌薬って?どのような症状に使える?


抗真菌薬とは、マラセチアやカンジダなどの真菌(カビ)を原因とする感染症を治療するための薬です。

真菌は、湿気の多い環境や皮脂の分泌が多い部位に繁殖しやすく、胸や背中、陰部、足などに発症することがよくあります。

抗真菌薬は、皮膚や粘膜に発生するカビの感染症に対して用いられ、以下のような症状に効果があります。

・水虫(白癬):足の指の間や爪に発生し、かゆみや皮がむける症状が現れる
・カンジダ症 :陰部や口の中(口腔カンジダ)に発生し、赤みやかゆみ、白いカスのようなものが付着する
・癜風(でんぷう):背中や胸に発生しやすく、マラセチア菌が原因で白や茶色の斑点ができる
・脂漏性皮膚炎 :顔や頭皮の皮脂腺が多い部分に発生し、赤みやフケのような皮むけがみられる
・いんきんたむし:股や陰部周囲に発生し、強いかゆみや赤みが出る

抗真菌薬には塗り薬と飲み薬があります。市販で手に入るのは主に塗り薬で、広範囲に感染が広がった場合や再発を繰り返す場合は飲み薬(処方箋医薬品のみ)が必要になることもあります。


抗真菌薬は市販で買える?処方薬との違い
抗真菌薬は市販でも購入できますが、処方薬とは成分や使用範囲に違いがあります。 どちらを選ぶべきかは、症状の程度や発生部位によって異なります。

市販で購入できる抗真菌薬は、主に””塗り薬””です。軽度~中程度の水虫(白癬)やカンジダ症、癜風などの症状に対して使用されます。

市販薬に含まれる代表的な成分には、ミコナゾール、テルビナフィン、クロトリマゾールなどがあり、これらはカビの増殖を抑える働きをします。ただし、これらの成分が有効なのは皮膚の浅い部分に限定されるため、深部に広がった感染症には効果が十分ではありません。
また、市販の抗真菌薬は顔に使用できないものが多いため、症状がある場合は医師に相談した方がよいでしょう。

一方、医療機関で処方される抗真菌薬には塗り薬の他、””飲み薬””もあります。特に、広範囲に症状が及んでいる場合や、陰部や爪などの深い部分に感染が広がっている場合には、飲み薬の使用が推奨されることが多いです。

処方薬の抗真菌薬には、イトラコナゾールやフルコナゾールなどの成分が含まれ、飲み薬として体の内側から真菌を抑える効果があります。これにより、塗り薬では届かない部分にも有効に作用します。


【症状別】抗真菌薬の選び方




抗真菌薬は、発生する部位や原因となる真菌の種類によって適切な選び方が異なります。特に”足・背中・股部”は汗をかきやすく、湿度が高くなるため白癬菌やマラセチア菌などの真菌が繁殖しやすい部位です。

ここでは、足・背中・股部の症状ごとに適した抗真菌薬の選び方 を解説します。

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足の症状には【水虫向け】の抗真菌成分配合の外用薬
足は最も真菌感染が起こりやすい部位のひとつで、特に”白癬菌”による 水虫(足白癬)や爪白癬 が多くみられます。

・足の指の間がふやけて白くなる(趾間型水虫)
・足の裏や側面がガサガサして皮がむける(角質増殖型水虫)
・水ぶくれができ、かゆみが強い(小水疱型水虫)
・爪が白く濁ったり、厚くなったりする(爪白癬)

水虫は市販の塗り薬で対応可能ですが、爪白癬は飲み薬(処方箋医薬品)が必要になることが多いため、医療機関の受診が推奨されます。


背中の症状には【毛包炎向け】の抗真菌成分配合の外用薬
背中にはマラセチア菌が繁殖しやすく、以下のような症状が現れることがあります。

・茶色や白っぽい斑点が広がる(癜風)
・赤いブツブツができ、かゆみがある(マラセチア毛包炎)
・皮脂が多い部分に赤みや皮むけがみられる(脂漏性皮膚炎)

癜風やマラセチア毛包炎は市販の抗真菌薬(塗り薬)で治療可能なことが多いですが、広範囲に広がる場合は飲み薬(処方箋医薬品のみ)が必要になることもあります。


股部の症状には【いんきんたむし向け】の抗真菌成分配合の外用薬
股部(太ももの付け根や陰部周囲)は高温多湿になりやすく、白癬菌やカンジダ菌の感染が起こりやすい部位です。特に男性でみられる””いんきんたむし””(股部白癬)は、かゆみが強く、放置すると広がるため、早めの治療が必要です。

・股の付け根に赤く円形の発疹ができる
・かゆみが強く、かくと悪化しやすい
・輪のような形になり、周囲が盛り上がる

股部白癬は市販の抗真菌薬(塗り薬)で治療可能ですが、陰嚢や陰茎にまで広がった場合や、改善しない場合は医療機関を受診しましょう。