どうする? インフレ対応~節約だけでは追いつかないかもしれません
「何を節約する?」を家族で相談も大事
食料品やガソリン代など、毎日の生活に直結するモノの値上げが続いています。「来月から値上げ」となってもすでに慣れているので、以前のように“値上げ前に買いだめ”ということがニュースになることは珍しいです。給料の上昇がモノの値上げに追いつかないので、まずは節約が対処法になります。
値上げ対策として、「レジャーや趣味はもちろん、食費を削る」という声が多いようです。無駄遣いにメスを入れることは大事なので、この機会に家族会議などをして、お金の使い方を話し合うことは賛成です。
インフレ時代に突入したことを認識する
これまでも、モノの値段が上がることはありました。例えば、“エッグショック”です。鳥インフルエンザが流行して卵の生産量が減り、需要に追いつかなくなったので、卵の値段が高騰した時期がありました。モノの値段は需要と供給によって決まるので、こういう事件があると上昇します。ただし、一時的なことなので、やがて値段も落ち着きます。
ところがインフレに突入すると、楽観的に構えていられません。ジワジワと値段が上がり続けるのです。もし年2%のインフレが続いたら、今日1万円で売っていたモノが10年後には約1万2000円となり、1万円の値打ちが下がってしまうのです。
「老後資金の目標にしていた3000万円」「還暦記念の旅行は100万円くらいあればぜいたくできるかな」といったことは、どれも設定の予算では足りなくなる恐れがあります。
やはり貯めるだけでなく、増やすことも考える必要がありそうです。
もうすぐ退職金をもらうAさんは、大きな金額が入金されるので、運用について思案しています。Aさんは投資経験もありNISAも利用していますが、昨今の株式市場の不安定さを考えると、なかなか方針は決まらないようです。
しかし、当分使う予定がないのであれば、“普通預金に預けっぱなし”は避けたいところでしょう。長らく続いた低金利の時代ですが、今は金利のある時代に変わりつつあります。
2026年4月17日現在で、都市銀行の金利は普通預金0.3%、定期預金は3年定期0.6%、5年定期0.7%となっています。ネット銀行などは金利が高い傾向ですので、金融機関を比較することも良策だといえるでしょう。
また、図表1は個人向け国債の利率の変遷です。令和8年になり、利率が急上昇していることがよく分かります。
(図表1)
個人向け国債はなじみの少ない方も多いですが、財務省が掲げる6つの特徴は以下のとおりです。詳細は、財務省ホームページをご参照ください。
(1)元本割れなし
(2)国が発行だから安心
(3)0.05%(年利)の最低金利保証
(4)1万円から購入可能
(5)年12回(毎月)発行
(6)中途換金も1万円からOK
元本割れの心配がないところは、定期預金に似ています。国債の利子は、半年ごとに20.315%分の税金を引かれた金額を受け取ります。
中途換金は、発行後1年を経過すればいつでも可能ですが、直前2回分に受け取った利子(税引き前)×0.79685が差し引かれます。「しばらく使う予定がない」「減らしたくない」資金の預け先としては、候補になるでしょう。
インフレに備えてお金の預け先を見直そう
先ほど、「やはり貯めるだけでなく、増やすことも考える必要がありそうです」と記述しましたが、“増やす”というと、投資信託や株式投資などを連想します。
しかし、定期預金を利用・利率の高い金融機関を探す・個人向け国債の検討など、リスクを抑えた預け先でありながら、少し増やすことができる場所があることにも目を向けてはいかがでしょうか。節約とあわせてお金の預け先も見直し、インフレに負けにくい家計づくりを目指しましょう。
出典
財務省 個人向け国債
財務省 個人向け国債 発行額の推移
執筆者 : 宮粼真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
