今回のW杯は中国で見られない可能性も?放映権料を巡りFIFAと交渉難航 提示額と“3倍以上”の開き
北中米ワールドカップ開幕までまもなく1カ月と迫る中、国際サッカー連盟(FIFA)と中国側との放映権交渉がかつてないほど難航している。FIFAが提示する放映権料に対し、中国の中央電視台(CCTV)が難色を示しているからだ。最悪の場合、サッカーの世界最大の祭典が中国で放送されない可能性も浮上している。
中国代表は今回のワールドカップ予選で2次予選を突破し最終予選に進出。しかし最終予選では初戦日本との試合で0−7で大敗した他、オーストラリアやサウジアラビアといったアジア実力国にも勝利出来ず、最終予選3勝7敗勝ち点9の5位で敗退となった。3、4位のプレイオフ進出権も逃し、中国はこれで6大会連続本大会出場を逃したことになる。
まず1つに時差。前回のカタールワールドカップは夜のゴールデンタイムに多くの試合が行われたが、今大会は北京時間の「朝6時〜9時」がメインとなる。ゴールデンタイムではない時間帯は、ピーク時の視聴者数を60%以上減少させると予想しており、高額な放映権料を回収する見込みが立たないと見ているという。
2つ目に出場国増加による影響だ。今大会から開幕戦から決勝戦まで全104試合。FIFAは試合数が増えることを理由に値上げを迫るが、CCTVは真逆の見解を示している。特にグループリーグの試合が増えるわけだが、実力差がはっきりした「塩試合」が多くなることから、試合数の増加がそのまま価値の向上には繋がらないと見ている。
そして3つ目に自国代表の敗退とスター選手の世代交代。アジア予選で敗退したことで、そもそも大会への注目度が低下。加えてリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドといった長年サッカー界を牽引してきたスター選手たちが引退間近となり、国民の熱狂がかつてほど期待できないという冷めた見方もあるとのことだ。
かつて中国のスポーツ放映権市場は狂乱の時代にあり、いわゆる「爆買い」の時代で様々なスポーツ大会の放映権を購入していた。しかしそのバブルが崩壊し、今や簡単に手を出せない状況にある。唯一の買い手とも言えるCCTVは、FIFAに対し「欧米の有料放送モデルを中国に当てはめるべきではない」と強く反論している。
なお、同メディアによれば最終的には開幕の1〜2週間前に、8000万ドル〜1億ドル程度の価格で妥協が成立するとと予測している。しかしFIFAが最後まで強気な姿勢を崩さなければ、中国でワールドカップが映らないという衝撃の展開も現実味を帯びてくると見ているようだ。
