決勝は最安で175万円超え…W杯チケット高騰問題 FIFAの“戦略”に元米代表は疑問符「労働者階級を締め出してはいけない」

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インファンティーノ会長をはじめとするFIFA関係者たちは、強気なチケット価格で勝負に出ている(C)Getty Images

 米国、メキシコ、カナダの3か国で共催される史上初のワールドカップ(W杯)の幕開けまで50日を切った。史上最多となる48か国が参加する今大会は、経済効果も含め、かつてない規模のビッグトーナメントになると見込まれてきた。

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 ただ、世界的な関心度の高さとは裏腹に、肝心なチケットの売り上げは低迷。グループステージ全72試合のうち3分の1以上でチケットがまだ残っているという苦境が続いているという。

 チケットセールスが伸び悩む理由は単純明快だ。それは国際サッカー連盟(FIFA)が設定した強気な価格だ。

 今大会のチケット販売に関してFIFAは、「ダイナミックプライシング」を導入。需要と供給のバランスに応じて、価格をリアルタイムまたは自動的に変動させる同戦略によって、価格帯は高騰。すでに販売されている7月20日にニューヨークで行われる決勝戦の価格は、最安で1万1000ドル(約175万7921円)にまで膨れ上がっている。

 もはや一般客では、試合観戦そのものを躊躇する値段に達しつつある。そんな現状に米国内でも嘆きの声が上がっている。元同国代表のMFであるクリント・デンプシー氏は、米ポッドキャスト番組『The Cooligans』において「労働者階級を市場から金銭で締め出してはいけないと思う」と指摘。「第一に、労働者階級を試合から締め出してはいけない。そういう人々を締め出してはいけないんだ」と強く訴えた。

「つまり、サッカーに必要なのはボールだけ。裸足でも構わないし、本当に必要なのはボールだけです。そういうスポーツに深く関わっている人々がいなければ、あらゆる文化や年齢層を取り巻くことはできない。だからこそ、サッカーを生き生きと楽しんでいる人々を、値段の壁で締め出してはいけない」

 労働者階級のスポーツともされるサッカーの“本質”を訴え、幅広い客層が手にできる価格設定を求めたデンプシー。さらに「もちろん、選手たちが観客を魅了しなきゃいけない。ピッチ上で、大衆が金を払ってでも試合を見たいと思わせるようなプレーを見せなきゃいけない」とも指摘。そして「あらゆる面でファンに応援する楽しみを与え、チケットを買いに行かせる理由が必要だ」と続け、現在のチケット料金が購買意欲をそそるものではないと断じた。

 開幕前からホスピタリティ面で混乱が続いている今大会は、いかなる盛り上がりを見せるのか。その行く末は不透明なままだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]