相場展望4月20日号 米国株: 米国株は最高値水準、イラン戦闘は無かったようで不気味 日本株: 原油高・不足で日本経済後退も、日経平均は高値圏維持?

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)4/16、NYダウ+115ドル高、48,578ドル 2)4/17、NYダウ+868ドル高、49,447ドル

【前回は】相場展望4月16日号 米国株: トランプ氏、イランとの勝ち目ない戦いをいつまで続けるのか? 日本株: 日経平均は、NYダウと比べて高値圏にあるため、慎重さも必要

●2.米国株 : 米国株は最高値水準、イラン戦闘は無かったことのようで不気味

 1)ホルムズ海峡開放を好感して、4/17の米国株は大幅上昇  ・イランのアラグチ外相「停戦期間中はホルムズ海峡通航を容認」発言。アラグチ外相は4/17、「完全開放する」と発表。  ・4/17の米国株式市場は、ホルムズ海峡の封鎖が解除されたとの報道を受けて、停戦に向けて楽観的な見方が広がり、NYダウは+868ドル高と大幅上昇した。  ・NYダウ、イラン紛争前の株価に戻る。

 2)しかし、トランプ米国大統領は「海上封鎖は継続」と強調  ・トランプ米国大統領は「イランの港湾に対する海上封鎖は合意が成立するまでは続ける」と強調。

 3)イランも反発して「海上封鎖」を再宣言、「停戦交渉を拒否」に転じた  ・イランの交渉責任者ガリバフ国会議長は4/17にSNSで「米国の海上封鎖が続く限りホルムズ海峡は開かれない」と警告。イラン革命防衛隊に近いタスニム通信は「通航できるのは革命防衛隊の許可を受けた商戦に限る」などの条件を伝えた。  ・イラン軍4/18、海峡は厳格な管理に戻った。  ・ロイター通信は、海峡解放の情報を受け約20隻の商戦が海峡に向かったものの途中で停止、一部は引き返したと伝えた。  ・国営イラン通信4/19、米国の「過剰な要求」を批判し再協議を拒否と報じた。(毎日新聞)

 4)米国株式市場は「良いところ取り」をする傾向が強いが、慎重さも必要  ・NYダウはイラン戦闘前の水準に戻った。  ・イラン情勢や原油価格の動向に振り回される状況が続くことに変わりはない。原油先物は一時117ドル=バレルまで上昇したが、海峡の開放を受け80ドルまで下落した。しかし、イラン戦闘前の60ドル程度からみると、依然として高い。本当にイラン停戦が実現したとしても、湾岸諸国の石油設備の損傷復旧に数年はかかると言われている。そのため、石油・ガスの供給量回復と価格低下は年月がかかる。株価はそういった状況を織り込んでいない。

●3.イラン4/18、「米国がホルムズ海峡封鎖を維持する場合、イランも封鎖へ」(フィスコ)

■II.中国株式市場

●1.上海総合株価指数の推移

 1)4/16、上海総合+28高、4,055 2)4/17、上海総合▲4安、4,051

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)4/16、日経平均+1,384円高、59,518円 2)4/17、日経平均▲1,042円安、58,475円

●2.日本株:原油高・不足で日本経済後退のなか、日経平均は高値圏維持できる?

 1)日経平均上昇  ・買い主役   ・海外短期投機筋による、株価指数先物買い。   ・現物株買いは、値がさ半導体関連株を軸に買われている。  ・値上がりが大幅高の割に、値上がり銘柄数が少ない状況が続く

 2)日経平均4/16〜17の概況  ・4/16 日経平均+1,384円高  (1)米国ハイテク株高 (2)台湾TSMC好決算を背景に (3)海外短期投機筋の先物買いで上昇。  ・4/17 日経平均▲1,042円安  日経平均の高値を意識した売りが目立つ。  

 3)日経平均寄与上位  (1)4/16、日経平均+1,384円高、寄与上位5銘柄+877円高、占有率63.36%    銘柄       寄与度    前日比伸び率    アドバンテスト  +251円高  +3.77%高    東京エレクトロン +233    +5.33    ソフトバンクG   +183    +5.13    TDK       +148    +13.06    ダイキン     +62    +9.09     合計      +877

  (2)4/17、日経平均▲1,042円安、寄与上位5銘柄▲623円安、占有率59.78%    銘柄       寄与度    前日比伸び率    アドバンテスト  ▲182円安  ▲2.64%安    東京エレクトロン ▲182    ▲3.95    ソフトバンクG   ▲117    ▲3.10    キオクシア    ▲78    ▲9.86    ファーストリテイ ▲64    ▲1.06      合計      ▲623   ・日経平均はアップダウンが激しくなっている。しかし、日経平均寄与上位5銘柄の影響力は6割程度に低下してきた。今まで日経平均を牽引してきた半導体・人工知能(AI)関連株に変化が起こりつつあるのか? 注目したい。

 4)ホルムズ海峡の開放はまだまだ先のことで、株式市場の緊張は続くと予想  ・4/17の米国株式市場は、ホルムズ海峡の封鎖が解除されたとの報道を受けて、停戦に向けて楽観的な見方が広がり、大幅上昇した。

  ・4/20の東京株式市場も連れ高が予想される。  ・しかし、    ・米国は、ホルムズ海峡をイラン船舶が通航するのを禁じた。そして、航行しようとしたイラン船舶を攻撃した。    ・イランも米国に反発して、革命防衛隊は再封鎖を4/18〜19に宣言。    ・状況は以前に戻ってしまった。

  ・このような状況のなか、日経平均は海外短期投機筋の買い主導で株価先物は大幅高となった。  ・しかし、ホルムズ海峡が再封鎖されたうえ、イラン側の停戦交渉拒否が報じられるなかでの日経平均の大幅高期待に乗ることはリスクが高いと思われる。  ・米国NYダウは、イラン戦闘前の水準に戻った。原油、ガソリン価格が高騰している状況に変わりはない。NYダウは高値圏に位置しているが違和感を感じる。  ・日経平均も同様に高い水準にある。原油価格は高く、量も減るなど企業生産にも支障が出始めている。円は一時157円台後半に上昇している。日本経済のファンダメンタルズは後退しているにもかかわらず、日経平均は高水準をいつまでも維持できるのだろうか?

●3.ホンダ、中国工場の一部を6月に休止、ガソリン車の販売不振で(時事通信)

 1)EVシフトが裏目に、四輪事業を見直してHV車投入。

●4.信越化学、シリコーン全製品を値上げ、5/1出荷分から10%以上(ブルームバーグ)

 1)原油やナフサ価格の上昇に伴う原材料コストの急騰が背景にある。

●5.ニデック、不正会計の純利益へのマイナス影響は累計▲1,607億円(テレ朝)

●6.ソニー、政府は熊本・イメージセンサー新工場に最大600億円を補助(ビジネス+IT)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・3289 東急不動産      業績堅調 ・4686 ジャストシステム   業績好調 ・6098 リクルート      業績好調

執筆者プロフィール

中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou