プロレスのマイクアピールとプレゼンは同じだった…よく噛む元プロレスラーが出した結論/棚橋弘至
新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は「プレゼン能力の上達術」について。棚橋社長はいったいどんな結論に至ったのか。(以下、棚橋弘至氏の寄稿)
◆vol.62 プロレスのマイクアピールに通ずる、プレゼン能力上達術
全社員の前で、会社の収支やその他状況を報告しながら、ねぎらいの気持ちを伝えたり、改善を促したりと、つまり司会進行で一人喋り……。
その責任の大きさに、早くもビビっているわけです。
始業の2時間くらい前に着いて、発表内容を頭に入れながら、繰り返し練習しておかないと。
こうした発表事。そう「プレゼン」ですよね。「プレゼンテーション」。プロレスラーのマイクアピールも一種のプレゼン。いかに、自分の考え、思いを話し、理解してもらうか。これぞプレゼン能力。
これまで、プレゼンについて、何か勉強しようと思ったことはなかったのですが、唯一、気をつけていたことは「大きい声でゆっくり話す」。これだけです。
プロレスラーのマイクアピールは、そのときの感情が乗ってしまい、ワ―――っと喋ってしまうこともあるのですが、会場の皆さんに聞いてもらい、理解してもらわないと意味がない。
そこで、「プロレスラーのプレゼン能力を上げるには?」をテーマにしましょう。
これを考えることによって、自然と僕の朝礼の挨拶や、今日の方針発表会もしっかりできるし(願望)、後輩たちのマイクアピール力も跳ね上がり、結果、プロレスがもっと盛り上がるに違いない。
となると、僕の責任は大きい。勉強していこう!
ほほぅ。課題認識力! 理論的思考力! 伝達力! 視覚的表現力! 共感力!
え―――っ! プレゼンって、こんなにも要素が必要なの!? 無理。
これらを身につけるためには、まず、目的を明確にして、聞きたいことを伝え、ストーリー仕立てにして、資料はシンプルにする……と、もうこの時点で無理。
わ―――! プレゼン6時間前に、この状態は危ない。もうこうなったら、母の教えを思い出して頑張ろう。
マイクアピールでよく噛んでいた僕に母がかけてくれた言葉、それは……「丁寧に話しなさい」。
お母様。もちろん丁寧に話してきます……。
が、それって、つまりは手ぶらで乗り込めって、ことやんね(笑)。
いやいや、きっと母が言いたかったことは、その丁寧の繰り返しの先に、上達があるってこと。
皆さん、あの「滑舌が甘い」「比較的よく噛む」で有名な棚橋弘至が朝礼をできるようになるんですから。
プレゼンも、一番大事なのは、伝えようとする気持ち。わかってもらいたいという熱量。その大きさに比例するはずです……!
それでも、うまくいかない場合は、僕と一緒にプレゼンを勉強して、苦手意識を、さっさとやっつけましょう!
◆今週のオレ社訓 〜This Week’s LESSON〜
大事なのは、丁寧に伝える気持ち。その繰り返しの先に、上達がある
<文/棚橋弘至 写真/©新日本プロレス>
―[新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記〜トップロープより愛をこめて]―
【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」
