矢野経済研究所は、国内における食品のEC購入実態に関する消費者アンケート調査を実施し、サービス形態別の支出傾向の変化を明らかにした。その結果、物流費上昇も大きな打撃を見せず、存在感を増していることが浮き彫りとなった。

近年、食品の購入チャネルは多様化し、EC(インターネット通販)の利用も一般的となるなかで、同調査では2025年11月に全国在住の20代以上の男女3684名(男性1801名、女性1883名、年代別に均等割付)を対象に、食品のEC購入実態に関する消費者アンケート調査を実施した。過去1年間にインターネット通販・宅配(ネット・カタログ等を含む)サービスにおいて食品を購入した経験の有無(単数回答)について、全体では「購入した」が33.7%、「購入しなかった」が66.3%と回答した。

また、「購入した」と回答した1240名(男性619名、女性621名、年代別に均等割付)を対象に、定期購入・サブスクリプション型サービスと単発購入型サービスの利用状況について調査した。全体では「必要な時に都度購入することが中心」と回答した層が77.3%を占め、「定期購入・サブスクリプションサービスが中心」は15.6%、「サブスクリプションと都度購入の両方を利用」は7.1%にとどまった。

過去1年間にインターネット通販・宅配(ネット・カタログ等を含む)サービスにおいて食品を購入した層1000名(性年代別に均等割付)に対し、定期購入・サブスククリプション型(定期購入・サブスククリプションサービス中心、または定期購入・サブスククリプションと単発購入の双方利用)と単発購入型(必要な時に都度購入することが中心、または定期購入・サブスククリプションと単発購入の双方利用)に区分し、各々を利用している主な理由(複数回答)について聞いた。


定期購入・サブスククリプション型を継続利用している層(192名)の主な理由では、「定期的に届くので買い忘れがなく、便利だから」(37.5%)、「買い物や調理の手間が省けるから」(33.9%)、「商品の品質が安定しており、信頼できるから」(31.3%)が上位に挙がった。

定期購入・サブスククリプション型は、概して価格やコストパフォーマンス(費用対効果)が評価されているが、同調査結果から、その都度選んで買う楽しさよりも、日常生活の負担を減らし、安定的に商品を確保できることに価値を見いだしていると考える。

一方、単発購入型を利用している層(871名)の主な理由では、「必要なときに自由に購入できるから」(64.8%)が突出して高く、次いで「価格やセール・ポイントなどのお得感があるから」(46.3%)が続いた。

同調査結果から、単発購入型は、必要なタイミングで柔軟に使えるサービスであることに価値を見いだしていることがうかがえる。加えて、価格面でのお得感も強い利用動機となっており、計画的な定期利用とは異なり、その時々のニーズに応じて使い分けているとみられる。配送の速さや受け取りやすさなどの利便性が高いことも評価されているが、定期購入・サブスククリプション型のような日常の利用における利便性とは異なり、必要なときに早く届くといった点が評価されているとみる。

[調査要綱]
調査期間:2025年11月〜2026年1月
調査対象:全国在住の20代以上の男女(事前調査:3684名、本調査︓1000名、性年代別で均等割付)
調査方法:インターネット消費者アンケート調査

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp