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 ◇セ・リーグ 阪神9―3ヤクルト(2026年4月7日 甲子園)

 阪神・才木浩人は「インドア派」を自認する。休日は用事がなければ「もうひたすらゲーム」と大好きな趣味に没頭。2月の沖縄での春季キャンプ中もほとんど外出する機会はなかったが、珍しく外で食事する機会があったそうだ。参加したのが「虎の兵庫県人会」。昨年2月、坂本が音頭を取って沖縄で初開催。今年も同県出身の坂本、佐藤輝が侍ジャパンに合流する前に第2回が行われた。

 選手の間で人気のイタリア料理店のテーブルを囲んだのは才木、佐藤輝、村上、近本、坂本の5人。才木はニヤニヤしながら当日の様子を教えてくれた。「もう僕がしっかり仕切ってまとめあげましたよ。任せてくださいよ。話した内容は…野球の誰々がどうのこうのとか、なんちゃらかんちゃらとか(笑い)」。分かったようで分からない内容だが才木が“回して”いたことはよく分かった。

 前置きが長くなったが、こんなことを書いたのもこの日は甲子園開幕ゲームにふさわしく地元の兵庫県人が大活躍した。まず、始球式に登場したのは西宮出身のあいみょんで、見事なノーバウンド投球を受け取ったのが、養父市出身の坂本。西宮出身の佐藤輝にも待望の今季1号が飛び出した。そして、神戸市出身の才木だ。自己最多を更新するどころかセ・リーグタイ記録の16奪三振をマークして8回3失点(自責2)で2勝目を手にした。

 プレボール直前、マウンド上にいる歌姫・あいみょんに最も接近していた才木だが、申し訳なさそうに声をひそめた。「あんまちゃんと見てなかったんですよ。もうゾーンに入ってたんで。でもノーバン投げましたよね?うわ、あいみょんやん、ぐらいでした」。確かに「ゾーン」という言葉にうなずけるほどの圧倒的な投球だった。

 甲子園を本拠地に置くチームで兵庫県人が活躍することは珍しいことではなく、あるべき姿とも言えるだろう。ただ、才木にとって県人会は今と未来を繋ぐ貴重な場であることを強調した。

 「ああいう時間はすごく好き。今はみんな主力張ってるし、そういう姿が下村だったり、今朝丸、早瀬もそう。これから上がってくる(兵庫県出身の)選手に良いものを繋いでいける。自分たちで引っ張っていこうという空気もあるので。僕らにとってもチームにとっても雰囲気が良くなるんじゃないかなと」。

 黄金期を築こうとしている今だけでなく、虎の兵庫県人会には未来もある。「僕が回して、まとめたんで(笑い)。これ誠志郎さんにも聞いてみてください」。そう付け加えて才木は豪快に笑った。(遠藤 礼)