【子は親の鏡】「社会的学習理論」から学ぶ、バウンダリーのクセとは?【しんどい人間関係に境界線をつくる 心地いいバウンダリー】
いつの間にか身についた「バウンダリーのくせ」は修正できる
皆さんは「社会的学習理論」という言葉を聞いたことがありますか。これは、他人の行動を観察したりまねしたりすることで自分もその行動を身につけていく、あるいはこれまでの行動が変わっていくという理論です。
例を挙げましょう。子どもの頃、家にかかってきた電話に出たら、相手が自分を親とまちがえて話し始めた……という経験はありませんか? 親子で声が似ている場合もありますが、じつは話し方もよく似ているというのはよくある話です。
子どもが知らず知らずのうちに親のくせを学び取っていくこと、これも社会的学習理論のひとつです。
バウンダリーも同じで、日常的に親のバウンダリーのくせに触れていると、子どもに親のくせが受け継がれることも少なくありません。
子どもは知らず知らずのうちに親からくせを学習している
両親が社交的な人で、しょっちゅう誰かを家に招いたり、気の合う仲間と出かけたりしている家庭で、子どもも社交的で活発なタイプに育った。両親に細かく口出しされてきた子どもが、自分が親になったとき同じように子どもに干渉するようになった。「子は親の鏡」といいますが、ここに挙げた例は、まさしく家庭でバウンダリーのくせを親から学習した結果といえるかもしれません。
異なる家庭環境で育ったわたしたちは、バウンダリーのくせも人それぞれ。それがあまり好ましくないくせだと感じている人もいるかもしれませんね。
でも、「しみついたくせならしかたない」とあきらめる必要はありません。バウンダリーのくせは、生まれてから長い時間をかけて学習してきたものですから、再学習によって変えることもできるのです。
再学習の第一歩は、バウンダリーを知り、学ぶことから始まります。この本で自分のバウンダリーのくせと向き合い、くせを少しずつ変えていきましょう。
親のバウンダリーのくせを受け継ぐケースも多い
父親があまり子どもにかかわらないタイプだった男の子。
父子の間には、太い「境界線」が引かれています。
男の子が成長して父親になると、かまってくれなかった父親そっくりに。
家庭環境で培われたバウンダリーのくせといえます。
【出典】『しんどい人間関係に境界線をつくる 心地いいバウンダリー』著:長谷川俊雄/イラスト:高木ことみ
【著者紹介】
長谷川 俊雄
白梅学園大学名誉教授、社会福祉士、精神保健福祉士、NPO 法人つながる会代表理事、social work lab MIRAI 代表。
1981年から横浜市役所の社会福祉職として現場で活動したのち、精神科クリニックのソーシャルワーカーに転職。その後、愛知県立大学での教員経験を経て、2009年に「NPO 法人つながる会」を設立。2010年から白梅学園大学に移り、教育・実践・政策提言に携わる。2023年に「social work lab MIRAI」を開設し、援助職支援や家族支援にも取り組む。「バウンダリー」についてのワークショップを各地で行っている。
【イラストレーター紹介】
高木ことみ
ゆるくてかわいいイラストを制作するイラストレーター。とくに、難しい内容を図やイラストを用いてわかりやすく伝えることが得意。見ている人に親しみを感じてもらえるような表現を心がけている。おもな作品に『ゆるゆる稼げるWeb ライティングのお仕事はじめかたBOOK』(技術評論社/表紙・本文イラスト)、『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめるポリヴェーガル理論』(日本文芸社/表紙・本文イラスト)など。

