カムリやインテグラ、ムラーノも!米国産「日本車」の正規輸入が続々決定、背景にあるトランプ関税と日米交渉の裏側
「タンドラ」「パスポート」「ムラーノ」、左ハンドル米国製日本車の正規輸入続々決定 これから日本市場にどんな変化が起こるのか?
トヨタ、ホンダ、日産が相次いで、アメリカで生産した日本車を日本に輸入すると発表しました。
これを、一部メディアは「逆輸入」と称しますが、本来の逆輸入は日本国内生産の海外仕様車が輸出され、自動車関連の業者が並行輸入する行為を指します。
そのため、今回のケースは自動車メーカーによるアメリカ生産車の輸入に過ぎません。
一連の動きの背景にあるのは、日米政府間で行われている通商交渉です。
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2025年の第2次トランプ政権発足後、いわゆるトランプ関税によって日本のみならずアメリカと貿易関係ある世界の国と地域が振り回されてきました。
結局、2025年7月22日に、日米間の枠組み合意についての共同声明を出し、自動車等に関連する関税を15%に抑えることができました。
実はこの中で、自動車基準についても日本はコミットしています。
それを受けて、国土交通省は2026年2月16日、「日本の交通環境における安全・安心を確保しつつ、関税に関する日米間の合意を実施するため、米国製乗用車の認定制度を創設します」と発表し、道路運送車両の保安基準の改正を行うとしました。
これに先立ち、自動車メーカー各社は米国製乗用車の輸入を検討してきたという経緯があります。
対応が最も早かったのが、トヨタです。
2025年年11月に富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久シリーズ最終戦で、場内に『アメリカパーク』というエリアを設けて「タンドラ」
「ハイランダー」「カムリ」を展示。
その場で豊田章男会長がジョージ・グラス駐日米国大使を招いて紹介する様子が見られました。
その後、トヨタはまずは「タンドラ」と「ハイランダー」をトヨタモビリティ東京を通じて4月2日に発売し、今夏以降には全国展開することを明らかにしています。なお、あわせて導入の検討を進めている「カムリ:については準備が整い次第、販売を開始する予定です。
先行して発売されるタンドラとハイランダーとは、どんなクルマなのでしょうか。
まずタンドラですが、アメリカでいうフルサイズピックアップトラックで、ボディサイズは全長5930mm×全幅2030mm×全高1980mmという巨漢。
そこに3.4LのV型6気筒ツインターボに10速ATを組み合わせた四駆となります。
ライバルは、フォード「Fシリーズ」、シボレー「シルバラード」、ステランティスの「ラムトラック」というデトロイト3の稼ぎ頭たちです。
筆者も1990年代以降、アメリカで各種ピックアップトラックを所有してきましたが、アメリカではピックアップトラックは乗用と商用の中間のクルマとして日常生活に馴染んでいるといえます。
例えば、家具やベッド、また植木などサイズの大きな買い物をした時など重宝しますし、キャンプなどレジャーで活躍してくれます。
日本の場合、さすがに保管場所が制限されると思いますが、根っからのピックアップトラック好きにとっては、東南アジアをベースにグローバル展開しているトヨタ「ハイラックス」や三菱「トライトン」よりも上級なトラックとして正規輸入されることを歓迎していることでしょう。価格は1200万円で、月販基準台数は全国展開時に80台。

もう1台の「ハイランダー」ですが、アメリカではミッドサイズSUVに属します。
2001年デビュー以来、累計約360万台以上のロングセラー。日本向けはニュージーランド向け仕様をベースとしているので右ハンドルになります。
エンジンは2.5Lの直列4気筒のハイブリッドで後輪をモーター駆動するE-Fourのみ。
アメリカのトヨタSUVは、フルサイズの「セコイヤ」があり、日本ではかなりボディサイズが大きく感じる「RAV4」がコンパクトSUVという区分になります。
「ランドクルーザー300」「同250」とは違う、主にシティユースのトヨタブランド高級SUVとしてハイラインダーが日本に上陸します。
ゆったり乗れる7人乗り3列シート車として、「アルファード」「ヴェルファイア」からの乗り換えも見込めるかもしれません。
価格は860万円で、原板基準価格は全国展開時に40台というタンドラ以上の希少車です。
ホンダや日産は何を日本導入? 懐かしい名前も…
次にホンダですが、ミッドサイズSUV「パスポート」に加えて、なんとアキュラ「インテグラ タイプS」がやってきます。2026年後半から随時発売となります。
東京オートサロン2026で実車が公開された際、ホンダ関係者はパスポートについて左ハンドル車になる意向を示していました。
アメリカでのホンダはコンパクトSUV「CR-V」を軸足として、「パイロット」を皮切りにミッドサイズSUVを段階的に拡充してきており、パスポートはその派生車となります。
今回日本に導入されるパスポートはアウトドア志向グレードの「トレイルスポーツ エリート」であり、前述のトヨタ・ハイランダーとは日本でのユーザー層が違うはずです。
そして、ホンダらしい決断がインテグラです。
先に発売されたプレリュードに次いで、懐かしい名前が帰ってきますが、プレリュードとは違う走り味を期待するホンダファンも少なくないでしょう。

そのほか、日産も懐かしい「ムラーノ」復活です。
こちらは2027年初期からの販売と少し先の話になりますが、経営再建中の日産にとっては噂の次期「スカイライン」を含めて日本でのモデルラインアップが広がることで日産ブランドイメージ全体が底上げされることが期待されます。
このように各メーカーからの、アメリカンなジャパニーズピックアップトラックやジャパニーズカーの日本導入は、販売台数が限定的であるとはいえ、日本のユーザーがクルマ本来の楽しさを別の角度から見つめ直す良いキッカケになるかもしれません。
同時に、中東情勢によるガソリン高で多くのユーザーが実感しているように、自動車に関わる資源に乏しい日本が自動車産業を維持しさらに成長させていくには、日米通商交渉に見られるような難しい舵取りの必要性があることを、日本のユーザーは再認識しなければならないと思います。
