最大の強みは信頼性? トヨタC-HR+(2) EVへの遅れ挽回へ UKでの価格競争力は高い 心地良い反応の両ペダル
両ペダルの滑らかな反応が心地良い
トヨタの新しいバッテリーEV、C-HR+。最近の同社のモデルは、運転体験に優れる例が多いが、この電動クロスオーバーにも当てはまる。特徴は薄いとしても、アクセルとブレーキ、両ペダルの滑らかな反応が心地良い。
【画像】UKでの価格競争力は高い トヨタC-HR+ サイズの近い電動SUVと写真で比較 全181枚
EV専用プラットフォームを基礎骨格とし、グレードを問わず出だしは軽快。167psで前輪駆動のシングルモーター版は、軽くないロングレンジでも、0-100km/h加速を7.6秒でこなす。特に、発進時のトルク感が頼もしい。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
車重は、57.7kWhの駆動用バッテリーを積んだ前輪駆動で1850kg。74.7kWhのユニットでは90kgほど重くなるが、増加は最小限に留めている。
ツインモーターで四輪駆動の342ps版も試乗したが、確かに高速化はされる。ファミリークロスオーバーは、そこまでの速さが求められるタイプではないといえるが。
運転を楽しめる電動クロスオーバー
ツインモーター版よりシングルモーター版の方が、走りは好ましい様子。グレートブリテン島の傷んだアスファルトを、優れた安定性で駆け抜けてくれた。姿勢制御は適度に引き締まり、サスペンションは滑らかに入力をなだめてくれる。
ステアリングホイールの反応はシャープとはいえないものの、旋回時の身軽さは特筆もの。回生ブレーキの効きを強くすることで、アクセルペダルの加減でコーナリングラインを調整することも僅かながら可能だ。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
回生ブレーキの効きは、ステアリングホイール裏のパドルで選択可能。ワンペダルドライブには対応しない。ロードノイズは、やや大きめに思えた。
電動クロスオーバーながら、特にシングルモーターのC-HR+は、運転を楽しめると表現できる。競争の激しいクラスでの必要条件といえるが、充分に満たせている。操縦性を追求したわけではない、ブリヂストン・アレンザ・タイヤを履いていても。
高い価格競争力に最長10年の保証
シングルモーター版の電費は、カタログ値で7.4km/kWhがうたわれる。今回は、充分な平均値を得られるほどの距離を走れていないが、期待したいところ。
英国での価格競争力は高い。エントリーグレードのアイコンで、3万2995ポンド(約693万円)から。お買い得なミドルグレード、デザインでは3万6150ポンド(約759万円)へ上昇するが、欧州のライバル、シュコダ・エルロックより確実に安い。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタだから、信頼性は高いはず。ディーラーでの点検を毎年続けている限り、10年間の保証が付く。駆動用バッテリーの実用量が新車時から何%減っているのか、メーター用モニターで確認することもできる。
クラストップへ迫る内容で遅れを挽回
3番目の投入で、EV市場での遅れを挽回したいはずのトヨタ。C-HR+は、革新的な性能までは備わらないものの、クラストップへ迫る内容に仕上がっている。
操縦性に優れ運転しやすく、乗り心地は良く、価格もお手頃。航続距離も短くはない。それでも、このクラスの競争は既に厳しい。注目を集めるうえで、もう少し明確な個性は備わっても良かったと思う。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
一部のメーカーのモデルと異なり、これまでのトヨタの定評通り、数年間は大きな不調なしに乗れるのではないだろうか。それが、最大の強みかもしれない。
◯:運転のしやすさ 好ましいユーザーインターフェイス 快適なシート
△:実際の電費は未確認 グレーのインテリア 運転体験にも特徴が欲しい
トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)のスペック
英国価格:3万6150ポンド(約759万円)
全長:4520mm
全幅:1870mm
全高:1595mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.6秒
航続距離:605km
電費:7.4km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1940kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:74.7kWh
急速充電能力:150kW(DC)
最高出力:167ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
