Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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アメリカのトランプ大統領は、戦闘終結に向けイランと協議していることを明らかにしましたが、イラン側との隔たりは大きく交渉の行方は不透明です。その一方で、事実上の閉鎖が続くホルムズ海峡、私たちの生活に及ぼす影響は…。

これは日本時間の23日夜8時すぎに、トランプ大統領がSNSに投稿した内容です。

(アメリカ トランプ大統領のSNS投稿内容)
『アメリカとイランは、過去2日間、中東における、両国の敵対関係の完全な解決に向けて、非常に生産的な対話を行ってきたことを報告する』

さらに、イランの発電所への攻撃を5日間延期すると発表しました。

そもそも、この攻撃について、トランプ大統領が言及したのは日本時間22日の午前9時前。

(アメリカ トランプ大統領)
「もしイランが48時間以内にホルムズ海峡を完全に、脅威なく開かなければ、アメリカは彼らの様々な発電所 を攻撃し破壊する。まずは最大のものから始める」

これに対して、イラン側は徹底抗戦の構えをとっていました。

(イラン中央軍司令部 報道官)
「アメリカが発電所を標的にした場合、イランはホルムズ海峡を完全に封鎖する」

48時間が経過するまで、残り12時間ほどに迫ったタイミングで発表された、5日間の延長。さらに23日、トランプ大統領は…。

(アメリカ トランプ大統領)
「非常に力強い協議をした主要な点で合意を得ている。イランはもう核兵器を保有しないことになる。彼らはそれに同意している」

イランと行ったと主張する対話で15項目ほどで合意していると話し、「イランは合意を望んでいてアメリカも合意を望んでいる」と強調。ただ、イランメディアが報じたイランの外務省のコメントでは、「交渉は行われていない」と示されました。

さらに、アメリカのニュースサイト・アクシオスは23日、アメリカのウィトコフ特使らが、イランのガリバフ国会議長と今週後半にも、パキスタンの首都イスラマバードで協議する方向で調整が進んでいると伝えたほか…、イスラエルメディアはトランプ政権が4月9日を戦闘終結の日として交渉を進める構えだと伝えました。

一方、イラン側は交渉を否定。イラン外務省はメディアを通じ「軍事計画を実行するための時間稼ぎをしている」と批判、ガリバフ議長も自身のSNSで、「交渉は一切行われていない」と否定しています。

トランプ大統領は、交渉が決裂した場合は「爆撃を続ける」と強調していて、地上部隊の投入などさらなる軍事行動を行う可能性もあります。

事実上封鎖となって3週間以上が経つホルムズ海峡。日本にとっては原油だけではなく様々な資源を輸入するための重要な航路です。静岡県内では、浜松市内の入浴施設が重油の調達が困難となったことで休業を余儀なくされる事態に…。

ここは御殿場市。5月の田植えに向けて準備しているのはコメ農家の小宮山さんです。

(コメ農家 小宮山 勉さん)
「今は田植えの準備段階。田んぼでは耕耘したり、それで水を張って代かきをする」

燃料費の高騰に頭を抱えています。

(コメ農家 小宮山 勉さん)
「(軽油を1日)だいたい50リットル前後は使いますね。相当響いてはくると思いますね」

また、コメを巡っては2025年の価格高騰による客の買い控えでコメの在庫量が増えたことで、2026年は価格が下がる可能性があります。

それに追い打ちをかける様に、軽トラックのガソリンや乾燥機に使う灯油など、約9ヘクタールの田んぼで米作りを行う小宮山さんにとって、燃料費高騰は死活問題です。

(コメ農家 小宮山 勉さん)
「資材の高騰や経費が上がって米の値段が下がると、やはり(農家を)やめてく人が増えるのかなと思っています」

資源の不足への懸念は他にも…。

(木原 官房長官)
「我が国のヘリウムの調達元については、約37%がカタールからの輸入であり、ホルムズ海峡を経由するルートで輸入されている」

バルーンなどに使われることでなじみのあるヘリウム。工業用としては半導体の製造などにも使われています。様々な用途で使用されているヘリウムですが、静岡県内での供給の状況はどうなっているのでしょうか?

(高山 基彦 キャスター)
「中東情勢の緊迫化は、実は私たちの健康に欠かせない医療の分野などにも影響が出る可能性があります」

これは静岡市内で家庭用や業務用にガスの販売などを行っている会社。この会社で不安視しているのが、今後ヘリウムが供給不足になるかどうか。日本はヘリウムを100%輸入に頼っていて、アメリカやロシアなど主に5か国で生産されているといわれています。

(静岡酸素 青木 淳朗 取締役)
「今回の情勢では、もしかしたら価格の改定はもちろんせざるを得ない状況と、今後、ガス自体が入ってこなくなる恐れも懸念されております」

ヘリウムは、体内の断面を画像化できる医療機関のMRIの部品の一部の冷却に使用されるため、供給が滞ると深刻な医療危機に陥る可能性もあります。

(静岡酸素 青木 淳朗 取締役)
「風船用のヘリウムの供給をストップしても、病院用のヘリウムは供給体制はある程度確保できるのかなと」

この会社では、現在、新規の注文を断り、販売量の制限を設けて供給量を確保しているということです。

(静岡酸素 青木 淳朗 取締役)
「過去にも滞ったことがあったが、普通1か月、2か月後に影響が出てくるのかと。今後は、こちらでコントロールできる話じゃないものですから、まさに情勢次第、良くも悪くもになってくると想像しています」

イラン情勢悪化に伴うホルムズ海峡の事実上の閉鎖。出口は見えないままです。