なぜ悲劇が続くのか。アキレス腱断裂から復帰も再負傷の横浜・遠野大弥への想いと川崎戦で人柄が表われたシーン
“国立”で開催された川崎との神奈川ダービーに5−0で快勝。横浜にとっては今後に向けて勢いに乗れそうな大勝となったが、前半にはショッキングなシーンも訪れた。
昨季、川崎から横浜に移籍するも6月にアキレス腱を断裂し、リハビリに励み、今季戦列復帰を果たしていた遠野大弥が同じ過疎を痛め、途中交代となったのだ。
それだけに残念で仕方なく、過酷なリハビリを経験し、今季に懸ける想いは人一倍強かっただけに、本人が何よりショックを受けているに違いない。
それでも彼の人柄がよく分かるシーンが続いていた。
ピッチに倒れた遠野のもとには両チームの選手が集まり、担架で運ばれると横浜のベンチメンバーとともに、川崎ベンチの選手、コーチングスタッフも遠野のもとに駆け寄る。川崎のベテランMF家長昭博が誰よりも心配そうにピッチ脇に立ち、何やら言葉を掛けていた姿も印象的であった。
横浜の大島秀夫監督は語る。
「(試合後に)正確な話はまだ聞いてはないですけど、去年の怪我が再発したと聞いています。
ここまでの努力と苦労を見てきているので、本当に辛いですし、本人が一番辛いと思います。まだ正式な診断は出ていないですけど、チームとしてみんなで支えて、みんなでまた素晴らしいプレーを、笑顔の溢れるプレーを見れるように全員でサポートしていきたいです」
また自身も長期欠場から復帰し、遠野の姿を人一倍、心配そうに見つめていた横浜MF木村卓斗もエールを送った。
「気持ちは一番本当に分かるので、そういう時ってパニックになったり受け入れられなかったりすると思うので、特に多く言葉をかけられたわけではなかったですが、クオリティとしては間違いない選手ですし、チームとして重要な選手なので、ダイヤくんが戻って来た時に良い状態で迎えられるように僕も全力で頑張りたいです。やれることはなんでもサポートしたいです。
みんなダイヤくんのことが好きと言いますか、愛されている選手ですし、だからこそ胸が痛いです。もう一度あのリハビリをすることは本当に大変なので、やれることはなんでもやりたいです」
2月14日の鹿島戦では川崎時代の恩師・鬼木達監督とピッチで再会した遠野は、こうも話してくれていた。
「オニさんから『本当に復帰できて良かったな』とかけてもらい、心配してもらっていたことが心から伝わってきました。オニさんは改めて本当に人格者と言いますか、頼れる、僕にとってはお父さんのような存在。リスペクトしています。でも次の対戦の時は必ず点を取りたいですね」
そう笑っていただけに、やはり心が締め付けられるような想いだが、多くの人に支えられる背番号7は再びピッチで輝きを放ってくれるに違いない。
誰もがその時を待ち続けている。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
