ロボットも学歴社会?人型ロボ専用の学校やジムが開設中
ロボットに仕事を教えるのは、思ったより大変なんですね…。
ChatGPTのような言語AIなら、インターネット上に溢れるテキストを大量に読み込めばどんどん賢くなれます。でも、人間の作業をリアルに代替するようなヒューマノイドロボットに必要なのは、ネットには一切存在しないデータばかりです。
作業に伴う関節の動き、速度、力加減、視覚、触覚……そういったものは、実際に体を動かして記録するしかないわけです。
そこで世界各地で生まれているのが、ロボット専用のトレーニング施設。
ジムや学校で訓練に勤しむロボットたち
ドイツでは、ミュンヘン工科大学(TUM)とドイツのロボティクス企業「NEURA Robotics」が組んで、「TUM RoboGym」がスタート。
ミュンヘン近郊にあるバイエルン地方に建てられるこの施設、総投資額は約1,830万ユーロ(約30億円)、面積は約2,300平方メートルと、かなり本格的です。数百体のAI搭載ロボットが、人間のインストラクターと直接やりとりしながら訓練を受ける予定。
段ボールの折り方、物の掴み方、工業部品の組み立てといった作業を何度も何度も繰り返すことで、「動きの記憶」をデータとして蓄積していきます。
中国はもっと規模が大きいようです。山東省、安徽省、浙江省など各地でロボットの訓練センターが次々と整備されていて、昨年末時点で国が支援するデータ収集センターは40か所以上、うち24か所はすでに稼働中とのこと。
山東省のあるセンターでは、数十体のヒューマノイドロボットがトレイの運搬や衣類の折り畳みを練習中。
なかでも注目なのが、河北省石家荘市にLeju社が設立した施設。約930平方メートルのスペースに、自動車組み立てライン、スマートホーム、介護施設を模した環境を丸ごと再現しているんです。ここでは年間約600万件ものデータを生成していて、これは中国最多と目されるほど。
訓練を受けたロボットは20以上の動作を習得し、タスクの成功率は95%に達するといいます。
湖北省の別施設では100体ほどのロボットが、衣類の折り畳みやアイロンがけを一日中ひたすら繰り返しているそうで、なんというか、壮観です。
政府も後押し。ビジネスとしても急成長中
こういった施設は、企業に実際のビジネスとしても結果を出し始めています。中国の「UBTECH Robotics」は3つのデータ収集センターを通じて、5億6,600万元分(約110億円相当)のヒューマノイドロボットを販売したと報告されています。
様々なロボットを送り出すDeep Robotics(最近だと馬ロボを出してましたね)の共同創業者でCTOのLi Chao氏は こんなふうにコメントしています。
「ロボットを実際の状況で訓練しない限り、技術を本当に前進させることはできません。(中国では)政府のロボット導入促進政策により、実際の現場で導入を試みて、新たな利用事例も発見できます。この点は海外から羨ましがられていることですね」
ヒューマノイドロボットはまず、自動車工場や物流倉庫など、単純作業の多い現場から実装が進むとみられています。
これから人間が、おそらく一時期であっても「ロボットを教える先生」という仕事を担うのでしょうし、意外にロボットも出身校で差が出るような、いわゆる学歴が現れるようになるのかも…?
Source: HDblog, Interesting Engineering

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