報酬がやる気を損なう原因になることがある「過度の正当化」とは?【社会心理学】

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報酬がやる気を損なう原因になることがある「過度の正当化」

人は報酬や罰を与えることで好奇心を失う

「動機付け」という言葉を知っていますか? ある行動を引き起こすのに必要な心の働きのことで、最近では社員の生産性を高めるために仕事に対する動機付けを行い、成果を上げようとする企業が増えています。

動機付けには、物事に対して面白さを感じて行動をする「内発的動機付け」と、報酬を得るまたは罰を回避するために行動をする「外発的動機付け」があります。とくに内発的動機付けは、本人の興味や関心がないと動機付けが難しいなど、難点はあるものの外的な要因に左右されずに行動が持続するので、ビジネスの場面でも非常に重要視されています。

ただし注意したいのが、内的な行動に対して外的な報酬を与えてしまう行為(過度の正当化)です。たとえそれが魅力的な報酬だとしても内発的動機付けが失われ、その人のやる気を損なう場合もあるのです。こうした現象を「アンダーマイニング現象」と呼びます。

レッパーらはアンダーマイニング現象を調べるために実験を行いました。この実験では、絵を描くのが好きな子どもたちをAからCの3つのグループにわけ、Aには「上手な絵を描けたら賞状をあげる」と伝えて絵を描いた子に賞状を渡します。

Bには何も伝えずに絵を描いた後に賞状を渡します。Cには何も伝えずに賞状を渡しませんでした。それから1週間後、自由時間に子どもたちが自主的に絵を描く時間を計測し各グループを比較しました

その結果、Aの子どもは、ほかのグループよりも絵を描く時間が大幅に短くなり、外的な報酬によって絵を描くのが好きという内発的動機付けが損なわれてしまったことがわかったのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』監修:亀田達也