2022年1月の成人式。横須賀では屋根なしオデッセイが現れた(当時の画像提供:つるちょんさん/一部加工済み)

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成人式の屋根切りDQN車 これから処分が本格化 切った屋根は元に戻せる?最後はどこに行きつくのか?

 2022年4月1日に民法によって「成人」の定義が18歳以上に変わってまもなく4年が経過します。

 相変わらず毎年全国どこかで騒動になるのが、屋根をカットしたクルマに大きな文字で自分たちの名前を書いたり、様々な装飾を加えたりして定員以上で箱乗りし、暴走する新成人たちの姿です。

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 今年は逮捕者が出るような暴走行為はなかったようですが例年、成人式会場の周辺では危険な走行によって逮捕者がでることも珍しくありません。

 その屋根カット車の「処分」が3月に入って本格化してきました。

 というのも年度末までに「抹消登録」(≒廃車)しておかないとGW明け頃から自動車税の納付書が届くからです。

 自動車税(種別割)は 毎年4月1日時点の登録上の所有者(または使用者) に課税され、納付書が送られます。

 ところで、屋根カット車で暴走することはどんな違反や危険行為につながるのでしょうか。

 日本の法律上では、クルマの屋根を切断してオープン化し、構造変更の申請・検査を一切せずに公道走行した場合、かなり重い違反が複数成立します。

 警察の検問で外観から明らかに補強などが見えない場合、シートベルト未着用や定員オーバーなども含めると、即座に検挙されることにもなります。

 いわゆる「成人式のDQN車両」レベルでも、法的には笑えない内容です。

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 JARWA日本車体補修協会専務理事の吉野一氏に屋根カット車の危険性について伺いました。

―― 自分で適当に屋根をカットしたクルマで走ることは違法行為になりますか?

 適当に許可なく屋根カットしたクルマで公道を走ることは違法行為です。

 道路運送車両法においては屋根の切断は『構造等変更』に該当します。変更手続きをしない場合は構造等変更未検査で不正改造となります。

―― 走行する場合の危険性は?

 現代の乗用車のほとんどはモノコックボデーです。

 日本車ではトヨタ・クラウン(S140系)を最後にラダーフレームの生産を終了しました。

 モノコックボデーの場合、車体の重量をボデー全体で分散して支えているため、ボディの下回りなどを強化しないと、形状を維持できなくなります。

 屋根はモノコック車にとって構造部材ですから屋根を切断することによって、ボデー剛性や衝突安全性が著しく低下する可能性があります。

 保安基準不適合となるため一発アウト級の違反が複数重なります。

―― 屋根はどんな道具で切れるのでしょうか?元に戻せますか?

 屋根はエアソー、超鋼バサミ、プラズマカッターなどで切断は可能ですが、一度切断したクルマをもとに戻すことはほぼ不可能です。

 歪んだボデー寸法をフレーム修正機などで元の寸法に戻してピラーやルーフなどのバーツをアッセンブリで交換すれば可能ではありますが、新しく買った方が安いくらいの莫大な費用がかかります。

なぜ? 成人式で使われたクルマを専門で買い取る業者も登場!

 一度屋根を切ったクルマをもとに戻すことは数百万円の費用が掛かることが分かりました。

 となると、このような屋根カット車はほとんどの場合、成人式の暴走用、撮影用に使用して終わり…というパターンかと思われます。

 なお、過去には仮ナンバーを付けた成人式仕様のDQN車がありましたが、一般ユーザーが仮ナンバーを正しく使うための用途としては、車検のための整備や車検を受けに行く工場や運輸支局との往復だけです。

 車検に通らないクルマを走行する場合、仮ナンバーを付けてあればいい、ということではありません。

 これは、仮ナンバー(自動車臨時運行許可番号標)の不正使用となります。

 さてこのような中、近年は成人式仕様のクルマを特別に買い取る業者も出てきましたSNSに成人式車両の買取について投稿があったミカサ貿易(大阪府吹田市)に聞いてみました。

―― 1月の成人式で使った屋根切り車を買い取られているのでしょうか?

 これまで買い取ったのは2024年、2025年だけです。

 だいたい3月くらいに処理に困ってどうにもならなくなって買取依頼が来ます。

 とはいえ、屋根カット車の買取はまだ数台です。弊社の買取台数は年200-350台なので、本当に稀な買取となります。

―― なぜ、成人式で使われた屋根カット車の買取を始めたのでしょうか?

 かつて、屋根カット車として使われるクルマはトヨタや日産の大型セダン車が多かったのが理由です。

 それらのクルマのエンジンは海外でも人気があり、エンジン目当てでその辺りのクルマの貿易需要を見込んだものでした。

 輸出するときはいずれにしても半分に切って輸出するので、屋根がカットされていてもそれほど支障になることもありません。

―― 屋根カット車を公道走行可能なクルマとして再生することはできますか?

 モノコック車でメーカーやコーチビルダーでちゃんと製作された屋根カット車に関しては強度計算などの上で車検を取得することはもちろんできます。

 ですが、成人式仕様で適当にグラインダーなどで屋根を切ったクルマは原則として廃車にするしかありません。

 一応、溶接で綺麗に屋根を戻せば見た目だけは何とかなるような気もしますが、現実的ではないですね。

―― これまで印象的だった成人式仕様のクルマは?

 成人式に使われたかどうかはわからないのですが、成人式シーズンに”フィアット500”の屋根カット車が来たのが印象に残っています。

―― 成人式仕様に限らず、ミカサ貿易さんで買い取れないクルマはありますか?

 弊社は原則としてエンジン・ミッション・触媒コンバータの3点が残っていれば軽自動車から大型トラック・バスまですべてのクルマを買い取っています。

 対象外となるのは上記3点が欠品しているもの(引き取りは対応しております)や盗難届が出ているクルマはもちろん買い取れません。

自分で屋根を切るのは…駄目です(画像は編集部がGeminiで作成したもの)

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 3月も半ばを過ぎました。

 屋根カット車かどうかにかかわらず、自動車税の納付書が届かないよう抹消登録の手続きは年度末までにやっておきましょう。