電力争奪・新時代 「水素エネルギー関連」爆速上昇株スペシャル5選 <株探トップ特集>
―90兆円市場の扉が開く、米ビッグテックも刮目するAIDC電源としての水素―
週末13日の東京株式市場は日経平均株価が600円あまりの下げで続落となり、5万4000円台を再び割り込んで取引を終えた。中東の軍事衝突が長期化傾向をたどるなか、リスク回避目的の売りが五月雨的に続いた。しかし、原油市況高を背景に資源開発関連や非鉄株、商社株などに強い動きを示す銘柄も少なくなかった。エネルギー周辺銘柄を投資資金が如実に選好していることが分かる。相場の潮流にやや変化が出始めている。
ただ一方で、米国では直近オラクル が好決算発表を好感されて株価を急上昇させるなど、アンソロピック・ショックで売り込まれたAI周辺株に見直しムードも漂う。仮に新興AIのアンソロピックが、クラウド関連企業を勝ち組と負け組に色分けするような淘汰の波をもたらしたとしても、AIデータセンター はインフラ基盤として欠かせない。そして、このAIインフラの構築はエネルギー問題とも密接に関わっている。
●「シンギュラリティ」には膨大な電力が必要
人間の脳を模したニューラルネットワークを駆使するディープラーニングと、膨大な情報量の蓄積であるビッグデータの融合が人工知能(AI)の飛躍的進化をもたらしたが、その延長線上に刻まれる新たな文明の歴史は驚愕的な要素をはらんでいる。 生成AIの登場とともにAIの3次元空間への進出(=フィジカルAI)が我々の日常を劇的に変えてしまう時代が近づいている。AIが人類の英知の総和を超える、いわゆるシンギュラリティだが、これは畏れではなく、むしろ人類が描いてきた夢の構図といってもよい。
しかし、そのプロセスで物理的に大きなタスクが浮上している。生成AI全盛時代を迎えるうえで絶対に必要なインフラがデータセンターである。そして、そのコンセプトの下、世界的なAIデータセンターの建設ラッシュが半ば必然的に始まった。AIデータセンターは大量のコンピューターや通信機器の塊であり、そのエネルギー源はまぎれもなく電力である。常時これらを動かし続ける膨大な電力の確保が人類にとって重要な課題となっているのだが、これを化石燃料に頼り切ることはもはやできない。
●ビッグテックが目指すカーボンフリーなAI
巨大なデータセンターの運用者でもある米ビッグテックは「24時間365日、カーボンフリー電力」でデータセンターを稼働させることを目標に掲げている。だが、これはかなりハードルが高い。再生可能エネルギーだけでは現実問題として賄うことができないからだ。太陽光は夜間に使うことができず、無風時が続けば風力発電も機能しない。当然ながら蓄電システムを活用することになるが、それでも絶対量が足りない。ここで浮上してくるのが 水素や 原子力のようなクリーンエネルギーの活用である。
ビッグテック各社はクリーンエネルギーでなおかつ送電網から独立して電力を確保できるオフグリッドの原子力と水素に着目している。オフグリッドであることの必要性は、データセンターを建設する際に、既存の電力網へ接続する場合は工事に数年という時間を浪費してしまう背景があるからだ。日進月歩でAIが成長を遂げていく時代に、このスピード感では話にならない。最も高効率でベースロード電源として適性が高いのは原子力であることは論をまたない。しかし、SMR(小型モジュール炉)を隣接させるにしても、イニシャルコストの高さと新設に時間を要するという点や、廃棄物の取り扱いなど容易ならざる問題もある。ここで、将来的には原子力の補完に回る含みをもたせながら、短期的なタームで水素エネルギーが切り札的なポジションを担うことになる。
