気軽な小遣い稼ぎ? いえ、実は“富裕層”ほど「ポイ活」の恩恵を享受している…ホテルも飛行機も“日常的にアップグレード”の実態
「ポイ活」(買い物などでポイントを貯めて有効活用すること)で、お得な人生を送りましょう! というムーブメントは以前から存在する。しかしその一方で、「そこまでお得じゃないでしょう。面倒だから集めていません」という人も多いかもしれない。
どちらの考え方も理解できる。が、私は今回、旅行先のタイである人と知り合い、富裕層ほどポイント(航空会社カードの「マイル」含む)の恩恵を受けていることを目の当たりにした。また、海外旅行の達人は航空運賃を安くすべく、直行便ではなく経由便を選ぶということも知った。コレも重要な旅の情報だ。【取材・文=中川淳一郎】
【写真】ポイント貯めて行きたい!東京、ハワイ、パリ…旅心をくすぐられてしまう世界の空港の風景3選
アップグレード
2023年以降、Twitter(現X)で知り合った全国の旅名人や、富裕層の知人と海外で会う機会が増えた。筆者は2023年2月から5月までタイ・バンコクと、ラオス・ルアンパバーンに滞在したのを皮切りに、毎年2月になると、寒さから逃れるべく、春までタイとラオスに滞在することを習慣にしている。その滞在期間中にポイ活・マイル貯めの達人と知り合ったというわけだ。そして本稿もバンコクで書いている。

4年連続で、バンコクで合流している会計士のA氏は、毎度ビジネスクラスかファーストクラスでやってくる。A氏はJALのカードを持っており、世界中の航空会社アライアンス「One World」のメンバーである。支払いをこのカードに集約することで、私など想像もつかないような量のマイルを貯め、優雅な人生を送っている。
日々の買い物にはクレジットカードを使いマイルを貯めるほか、様々なキャンペーンや裏技でポイントを稼いでいる。何しろ、お金持ちなので使う金額も大きく、みるみるうちにマイルが貯まっていくそうだ。A氏曰く、彼がバックパッカーだった25年ほど前は、マイルの還元率が現在よりも圧倒的に高かった。そこで「これは使わなければ損だ」と考え、以後、富裕層と呼ばれる立場になってからも、マイルをいかに貯めるかを研究するようになったという。
A氏はサッカーが好きなため、FIFAワールドカップが行われる時は開催地に飛ぶ。2006年のドイツ大会以降、南アフリカ、ブラジル、ロシア、カタールと飛び回り、当然ながら日本から遠い場所にあるため、そのたびにかなりのマイルを稼ぐ。今年6月は、カナダ、アメリカ、メキシコの共催でこれまたマイルが貯まることだろう。ここで稼いだマイルを国内旅行でも使ったり、ウズベキスタンなど中央アジア諸国を旅行する時にも活用したりしているのだ。
さらに、A氏は「マリオット ボンヴォイ」というマリオットグループの会員でもあるため、なるべく同グループのホテルに泊まる。すると、これまでの長きに亘る宿泊実績によって、大抵の場合予約した部屋がアップグレードされるのだ。同氏は毎度「一人で泊まっているのに、スイートにアップグレードしてくれたりして、正直もったいない」と苦笑しながら我々を部屋に招待してくれる。豪華なスイートルームで酒を飲むことで、我々は少しだけセレブ気分を味わい、部屋を出た後に「Aさんすごいね……」と毎度ため息をつくのである。
プレミアムラウンジのメシがすごくウマいらしい
今回、A氏はエコノミークラスでバンコクを訪れることも考えたそうだが、東京発の便は片道10万円ほどした。ところが、One Worldメンバーの一員であるアメリカン空港のビジネスクラスは、マイルを使えば本来80万円するところが10数万円で乗れることが分かり、そちらを予約。筆者とはバンコクで夕飯時に合流したのだが、A氏は「もう食べられない」と言う。
というのも、A氏は機内でフルコースを食べ、ワインを飲み続ける時間を過ごしていたのである。料理の写真を見るとキャビアあり、ステーキありで美味だったという。また、A氏の滞在最終日、その翌日まで残る予定だった私と妻、さらにこれまたセレブコピーライター・こやま淳子氏は、A氏オススメのステーキ店「エル・ガウチョ」へ行くことにした。A氏は短時間だけ食前の飲みに付き合ってくれたが、40分ほどで店を出て空港へ向かうことに。
「カタール航空のプレミアムラウンジのメシがすごくウマいらしいんですよ! ちょっとそこを楽しみたいので、何も食べずに早めに行きます!」
このように、来たるプレミアムラウンジでの食事を楽しみにA氏は颯爽とタクシーに乗って行った。
人生を豊かにする「ポイ活」
こうした話を聞くにつれ、マイルを貯めることやポイ活というのは侮れないな、と思った。とはいえ、私にはA氏ほどの情報収集力や熱意はない。そもそもこの29年間、ANAカードを持っているもののマイルを使ったことがない。ANAマイレージクラブのサイトにもアクセスしたことすらない。飛行機に乗る時は基本、スカイマークと海外LCCだけなのでマイルはつかない。それでもなんとかANAの会員ページにログインしたら、私が持っているマイルはわずか3700マイルだった……。さらに、マイルは3年間で失効するため、26年分のマイルはすべて消えていたことも明らかになった。
最後にもう一つ、旅でトクするもう一つの技を紹介しよう。それは、経由便を使うことである。私はベトジェットで福岡・バンコク往復9万8000円だったが、昨年バンコクで会った男性・B氏は上海航空を使い、上海経由でタイを訪れていた。その金額、驚愕の往復3万5240円! 本来、東京・バンコクは8時間ほどだが、トランジットの時間が3時間40分あるため12時間ほどかかったそうだが、それを差し引いてもお得だろう。今回会った40代女性は「東京に直行便で帰るよりも安い」と、バンコクからシンガポールへ行き、友人宅に数日泊めてもらってから帰ると言っていた。
私自身、ポイ活や旅の情報収集など面倒くさいし、そこまでの利益はないだろうと思っていたが、こうした旅の達人のリアルな話を聞くと、ポイ活もきちんと取り組めば人生をかなり上向かせてくれるものだと感じ入ったのである。
ネットニュース編集者・中川淳一郎
デイリー新潮編集部
