ロス五輪世代の石橋は、自身の将来像をどのように描いているのか。写真:滝川敏之

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 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第61回は、湘南ベルマーレのMF石橋瀬凪だ。

 前編では、得意とするドリブルの極意や自身のプレー哲学などについて訊いた。後編では、ロス五輪への思いやクラブでの現況を深掘り。まずは、ロス五輪世代の代表での熾烈なポジション争いへの意気込みを語ってもらった。

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 この間のU-23アジアカップでは、大会直前に脳震盪になってしまったのもあり、スタメンで出る機会も少なく、途中出場が多かった。チームメイトには海外でプレーする選手が多いなかでも、左サイドをやっている選手の中では誰にも負けないという気持ちでやっています。

 僕も海外に行ってみたいとは思いますね。やっぱり、海外に行ったらかっこいいかなと思いますし(笑)。

 自分がこの世代のポジション争いでどのくらいの位置にいるかは分かりませんが、気持ちでは誰にも負けないと思いながらプレーしています。
 
 同世代では、セレッソ大阪の横山夢樹が同じポジションで、同じようなドリブラーなので、負けたくないと思っています。自分は結構、相手の位置やタイミングを見て仕掛けるんですけど、彼はスピードでそのまま仕掛ける感じ。プレースタイルの違いは少しありますが、負けたくない選手ですね。

 湘南の同世代では、1学年上の石井(久継)選手がいます。代表やオリンピックの話はあまりしないですが、ピッチ外でも常に一緒にいる存在です。特に真面目な話をするわけではないけど、一番喋るし、仲が良いです。

 石井選手は細かいところのボールタッチが本当に上手い。一緒に試合に出ても、すごく連係が取りやすいですし、尊敬しています。

 話した2人を含めて、ロス五輪世代はみんな本当にそれぞれ個人が上手い。上手な選手が集まっているチームだなと感じます。
 
 昨シーズン、神戸弘陵高から加入し、高卒1年目ながらJ1で10試合に出場した石橋。山口智監督の下で学んだ「仕掛ける場所を考えろ」という教えが、今でも彼のプレーの基盤となっている。

 プロ入りから1年。石橋は、経験を糧に着実に逞しさを増している。

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 プロ1年目でお世話になった山口監督からは「仕掛ける場所を考えろ」と言われた。低い位置で仕掛けても意味がないと、より高い位置で仕掛ける大切さを学びました。

 また、高校の時は全然、守備もできなかったんですけど、湘南でプロになって、その強度を求められることが多くなった。おかげで守備の部分では本当に成長したと感じるし、ドリブルの判断や、相手の数、状況を見極める部分でも成長したなとすごく感じます。
 
 チームは今シーズン、長澤(徹)監督になってから、以前よりもどんどん前にプレスをかけるようになった。自分もプレスをかける意識が強くなりました。

 今季でプロ2年目ですが、ある程度、昨シーズンからJリーグの舞台でもやれているなという自信はありました。ただ、いろんな経験ができて、ドリブルでももっと自信を持ってプレーできるようになりました。

 今年はポジションも、ウイングバックから、ウイングでの起用も増えそうなので、去年より高い位置で受けることも多くなる。昨シーズンより多く、自分の得意な場所で仕掛けることができるので、そういったところでは楽しみにしています。

 今年まだリーグ戦に出場できていませんが、早く試合に出て、チームを勝たせる仕事をしたい。とにかくサッカーが好きなので、焦りはそんなに感じていないです。
 
 J2で挑む今季、石橋にとっても正念場のシーズンとなる。チームのJ1昇格とともに、ロス五輪の代表入りに向けて、自身の価値をさらに高めたいところだ。