なかなか出場機会に恵まれていない町野。(C)Getty Images

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 昨夏にドイツの古豪ボルシアMGに加入した日本代表FW町野修斗が、なかなか苦しみから抜け出せないでいる。

 23節終了時でスタメンは7試合。26年に入ってのからのそれは19節のシュツットガルト戦のみ。チームが不振の影響もあり、決定的なアピールには至っていない。

 ボルシアMGの攻撃は、良くも悪くもシンプルだ。ボールは回る。保持率も悪くはない。だが決定機の頻度と質が十分とは言えない。右サイドのフランク・オノラへと展開し、そこからのセンタリングをハリス・タバコビッチに合わせる以外のパターンがなかなか見つからない。

 1−2で敗れた23節のフライブルク戦でも、それは変わらなかった。

 62分から途中出場した町野も、中央から右へダイレクトでパスを展開する場面はあったが、それ以降は思うようにボールに絡めないまま時間が過ぎていった。不完全燃焼だったに違いない。

 こうした苦しい時期、何をよりどころとし、何をきっかけにすべきだろうか?
 
 ヒントになるようなプレーを見せていたのが、同じ時間から途中出場をした17歳のワエル・モーヤだ。積極的に鋭いドリブルでしかけ、終盤には爆発的なプレスでボールを奪うと素早い判断でゴール前のタバコビッチへパス。フライブルク左SBクリスティアン・ギュンターに素晴らしい危機感知でブロックされたが、絶好の得点機を演出していた。

 チームの攻撃が単調なのは事実だ。それでも、苦境を打ち破る選手はいる。守備から入り、走って流れを変える。ボールを待たずに、自分から関与を増やす。

 昨季まで在籍していたホルシュタイン・キール時代の町野は、まさにそうしたプレーでチームに何度も貢献していた。何度も走り、何度も身体を張り、ゴールまで距離があってもためらうことなく駆け出し、それがあったから得点機にも多く絡むことができていた。

「自分が入ったら、特にチームを活気づけたいし、疲れ切っている時に入ることが多いので、もう一回みんなを助けられるようなプレーは意識してます」

 そう語っていたことがある。葛藤が口からこぼれることもあった。

「まだ我慢しなきゃいけないのかって思う時もあります。でも、ここから頑張っていきたいです」

 ブンデスリーガで生き残るために必要なのは、たとえ苦しい状況下でも環境が整うのを待つのではなく、たとえ短い出場時間だったとしても、走って、戦って、空気を変えて、流れを引き寄せられるかだ。

 町野修斗の真価が問われるのは、まさに今なのかもしれない。

取材・文●中野吉之伴

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