神社ブームの裏で静かに進行する“情弱狩り”。「見ただけで周波数が上がりました!」スピリチュアル商法に分断される家族も
スピリチュアルを入り口とし、詐欺にまで至るようなスキームが今、静かに拡大している。下にまとめた用語が家族の口から飛び出たら、要注意だ。
◆こんな発言に要注意!
【レイキ】
大正時代発祥の「臼井霊気療法」が源流。施術者が軽く手を当てる、または手をかざす伝統的な療法だが、「遠隔でも行える」と謳う悪徳レイキマスターも存在する。
【自然派マルチ】
スピリチュアルな考え方と親和性が高く、隣接しているケースが多い。アロエベラジュースや精油、サプリメント、プルーンエキスなど、さまざまな商材がある。
参政党和歌山県第1区国政改革委員の林元政子氏が祈りや想念を込めた=波動を転写した米。「未来の食糧危機の際に買える権利」として最大350万円で販売。
【浄化整体】
「水晶や突起のついたローラー、墨と筆などを使用し、エネルギーを入れながら深部の負のエネルギーを集中浄化する」と謳う整体。施術費もかなり高額だ。
【そしじ】
’00年代半ばに造語として誕生したとみられるが、’20年代になり「古代から存在したがGHQにつぶされた文字」などの言説がスピ界隈で盛り上がる
◆数百万円をドブに捨てたスピ沼サバイバーの逆転
「当時の私は、毎月20万〜30万円を占いやスピに課金していました(笑)」
そう振り返るのは、タロット占い師として活躍するゆうこ学長。今でこそ明るい人柄で人気の占い師になっているが、その過去は壮絶だ。
「幼少期は貧しく、親の愛にも恵まれなかった。結婚式直前に浮気され婚約破棄になるなど、とにかく人生がうまくいかない時期が続きました。どん底のメンタルで上京し、頼ったのが霊視やレイキ、除霊などを含むあらゆる占いだったんです」
占い依存の沼に落ちた20代の数年は、派遣社員の収入では到底まかなえないほどスピ活にカネを注いだ。当然、生活を圧迫。それでも止まらなかった。
「占いに行くために、夜はキャバクラや警備員のバイトまでしていました。占い師に『持っているお守りに悪いものが憑いている』『大きな災いが起こる』など不安を煽られるたび、恐怖心からお札やお守りなどのグッズを買いまくっていたんですよね……」
◆“スピ沼”から這い上がった方法は…
そんなゆうこ学長は、どうやって“スピ沼”から這い上がることができたのか?
「あるとき、初めて霊感商法ではないタロットの先生に出会ったんです。私があまりにしつこく『いつ運気が上がるのか』と聞いていたら、『いっそ自分でやってみたら?』と呆れるように言われて。それでちゃんと勉強したんです。
すると結局、タロットには特別な能力や霊力なんて必要なく、誰もができるものだとわかった。そもそもただのカードゲームで、未来や吉凶を当てるものではなく、自分が前向きに行動する指針として付き合うべきツールだということがわかり、ぱっちりと目が覚めました」
では、もし妻や家族がスピ沼にハマってしまったら、どうすべきなのか。山田氏は、まず「傾聴が重要」だと語る。
「カルト宗教と同じく、スピに傾倒して覚醒スイッチが入ってしまった人に全面否定は逆効果です。本人が気づく以外に根本的な解決は難しいからです。まずはママ友や地域コミュニティなど、スピに染まるきっかけを突き止めるなど、周囲の見守りは欠かせないでしょう。孤独にさせず、アイデンティティの喪失を取り戻すサポートが重要だと思います」
現代の世界的な社会不安と政治動向は、現実逃避としてのスピリチュアル、オカルトと非常に相性がいい。誰しもが闇落ちと背中合わせの時代を生きていると自覚することが、ひとまずの予防策になるだろう。
【フリーライター 山田ノジル氏】
女性誌ライターとして美容・健康情報を取材する中で、非科学的な言説に注目。新著に漫画『ママ友は「自然」の人』(竹書房)の原作
【タロット占い師 ゆうこ学長】
アンリッシュ代表。個人鑑定1400人以上の実績と自身の経験を生かし、初心者からプロのタロット占い師を育成するスクールを主宰
※週刊SPA! 2月17日号より
取材・文/週刊SPA!編集部
―[日本人に忍び寄る[5つの危機]]―
