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ますます紙の書類派には厳しい時代ですが…。

いよいよ今年も確定申告のシーズンです。もう以前からe-Taxの電子申告を利用してきたという人には無縁のことかもしれませんけど、どうやら紙の確定申告が大きな節目を迎えようとしているみたいです。

紙の申告書類がもらえない?

e-Taxでの電子申告をしていない人にとって一般的なのは、書面で申告書を提出するため、まず確定申告用紙を入手するというステップでしょう。ところが、いろんなところで今年は、このファーストステップから壁にぶち当たる人が続出しているようですね。

Image: 千葉県船橋市

去年までは普通に確定申告用紙などが配布されていた場所で、今年から紙の書類の配布を実施しない方針に切り替えてしまった自治体が続出しています。

市役所などで手に入らなくなったというケースに加え、税務署によっては用紙コーナーを廃止してしまい、来署者に紙の申告書類などを幅広く配布することを取りやめた場所まで出てきています。

Image: 神奈川県横浜市

また、今年に入って、例年どおり確定申告関係書類を配布してはいたものの、すでに手に入れられないという場所も続々報告されていますよ。たとえ配布コーナーが設置されても、かなり今年は配布数が絞り込まれており、あっという間になくなってしまうといったケースが増えています。

もしや、ほぼ強制的にe-Taxを利用せざるを得ない状況に追い込まれているのかも?

確定申告用紙はコンビニで手に入る

ある意味、確定申告をしたくても電子申告以外はできないかのような状況が創出されてしまっているともいうべき、かなり大胆にも思える施策です。でも、背景には、昨年秋にスタートした国税庁の新サービスがあったりするみたいですね。

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なんと申告用紙そのものは、コンビニエンスストアなどのマルチコピー機で印刷できるサービスを案内中。わざわざ税務署や役所まで出向かず、近くのコンビニで印刷してねという新方針に切り替わったと考えることもできるでしょう。

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ただし、国税庁から案内されている利用方法を見るに、そこまで簡単ではない印象を受けました。

まずは自分でホームページから確定申告用紙をPDFデータとしてダウンロードしておく必要があります。それから、各コンビニのマルチコピー機で印刷できるよう、データを対応サービスへアップロード必須。

e-Taxは敷居が高いので…と敬遠している人に、こうした印刷までの事前準備を要求するのは、なかなかのハードルの高さでもあるでしょう。

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コンビニのマルチコピー機といえば、すでにタッチパネルのメニューから「行政サービス」を選べます。ここを押すだけで、必要な確定申告用紙を選択し、そのまま印刷できる新サービスなのかと思いきや、そこまで手軽ではないのが残念でした。

なお、確定申告書の印刷は白黒でもオッケーですけど、やはりお金はかかるのと、複写式で控えが自動作成される用紙ではないので、税務署や役所で配布されてきたものと、まったく同じでないことにも不満が残りそうですよね。

e-Taxのハードルは下がっていた

スマホで確定申告ができます! 国税庁などがe-Taxを推進するとき、アピールポイントの1つとして、スマートフォンの画面だけで完結する電子申告の手軽さが強調されてきました。でも、もしかすると、紙の確定申告書類から離れづらい人のなかには、あの小さなスマホ画面での申告はキツいかなと感じ、なかなか踏み込めないという方が多いのでは。

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別にスマートフォンが嫌なら、パソコンでe-Taxを利用すればよいでしょう。そう突っ込まれそうですけど、数年前に初めてe-Taxを利用しようとしてつまずいた方の記憶には、パソコン利用のハードルも決して低くないという思い出があるはずです。

e-Taxでの本人確認に必要となるICカードリーダーがパソコンにない場合、ID・パスワード方式を利用するしかありませんでした。でも、その発行には、なんとまず税務署内で職員と面接をし、本人確認してもらって初めてできるという複雑なステップが要求されていたんですよね。

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ところが、国税庁は昨年秋に、このID・パスワード方式の発行ステップ廃止を発表。パソコン画面でe-Taxを使って確定申告をするうえで、現在はICカードリーダーが必須ではなくなっています。

Image: 国税庁

e-Taxへのログインにマイナンバーカードを使用するとき、スマホにマイナポータルアプリを入れていれば、本人確認にICカードリーダーは不要となっていました。パソコンの画面上で、ログイン時にQRコードが表示されるので、これをスマートフォンで読み取れれば、あとはスマホとマイナンバーカードの組み合わせで、紙の確定申告書類を一切使うことなく提出まで完結できるようになっています。

それでも紙の申告用紙で提出したい方へ

国税庁がe-Taxを全面的に推奨する理由は複数あります。

紙の確定申告書類に記された手書きの文字を読み取らずとも済むため、税務行政DX化による大幅な業務効率化を実現可能。あとやっぱり紙を廃止して電子的に完了させられるなら、地球環境に優しいというのも大きな理由に挙げられるでしょう。

Image: 湯木進悟

とはいえ、紙ベースの確定申告制度が終わりを迎えたわけではありません。実はe-Taxを利用し、すべての入力をパソコン上で行うものの、完成したものを印刷して郵送による提出を選ぶことも引き続き可能です。この提出方法を選択すれば、マイナンバーカードとスマートフォンで本人確認をして認証するステップまで、まったく省略できる仕組みとなっています。

Image: 湯木進悟

添付書類として本人確認書類のコピーを提出することで、書面の郵送方式にて完了させられる確定申告。しかしながら、国税庁の本音は、とにかく紙を使わないe-Taxでの電子申告を皆が利用してほしいというものです。いま一度、紙の確定申告書類の使用について再考するよう促すメッセージなどが度々表示される実態。

いつかほぼ100%の確定申告が電子申告となる時代さえ迫ってきているのかもしれません。

Source: 国税庁