橋本環奈

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好ダッシュも低迷

 橋本環奈(27)主演のフジテレビ系月9ドラマ「ヤンドク!」が伸び悩んでいる。2022年から3年連続でNHK紅白の司会を務めた橋本の抜群の知名度もあって、1月12日放送の初回こそ世帯8.1%、個人5.0%と好ダッシュをきった。しかし、第2話以降は世帯6%台、個人3%台に沈み回復の気配がない。月9はフジの看板ドラマ枠だけに社内は微妙な空気だろう。

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 同ドラマは、橋本が元ヤンキーだった凄腕の脳神経外科医・田上湖音波(たがみ・ことは)に扮し、旧態依然とした医療現場をパワフルに改革していくストーリー。

 テレビ誌編集者はこう話す。

橋本環奈

「全体に既視感がぬぐえません。ヤンキーと凄腕医師という正反対のジャンルのかけ合わせは、2000年代に高視聴率を記録し一世を風靡した日テレ系『ごくせん』シリーズと似ています。極道+先生で“ごくせん”。これに倣いヤンキー+ドクターで“ヤンドク”というワケです。社会の外れ者が異世界に飛びこみ、現場を変革して感動の物語を作り上げる、というお馴染みのストーリーこそ“旧態依然”そのものです」

「ごくせん」は、極道・大江戸一家に生まれた娘(仲間由紀恵)が神聖な教育界に飛び込んで、荒廃した教育現場をきっぷの良さと度胸、生徒への情熱で次々と叩き直していく物語だった。このドラマシリーズをリアルタイムで見ていた年齢層は、当時の爽快感が今も胸に残っていることだろう。フジの「ヤンドク!」はこの路線を狙っているのだろう。

 そもそも登場人物の性格の設定が共通している。両ドラマを比べると……。

元ヤンキー・田上(橋本)VS極道一家の跡取り娘・山口久美子=ヤンクミ(仲間)
田上のヤンキー時代の子分VS大江戸一家の下っ端
豪快な父親像(吉田鋼太郎)VS大江戸一家三代目組長(宇津井健)
天敵として描かれる病院の幹部VS学院の教頭と他の付和雷同教師
病院内の理解者(看護師の宮世琉弥)VSヤンクミを慕う3年D組リーダー(松本潤)
第4話に登場した患者の孫VS保健の先生(中澤裕子)の息子

 それぞれ比較してみると人物相関図内の性格付けがそっくりなのだ。主人公・田上を毛嫌いする病院幹部の太鼓持ち的なやかましいキャラクター造形も似すぎている。

「異種格闘技のような掛け合わせドラマは、元暴走族リーダーが高校教師となったフジ『GTO』や、同じく元暴走族が東大進学を指導するTBS系『ドラゴン桜』シリーズなどにも見られます。しかし、『ヤンドク!』は低予算がバレバレで、派手な立ち回りもないので悪目立ちしています」(前出のテレビ誌編集者)

古臭い脚本に古臭い演出

「ヤンドク!」で物議をかもしている手術シーンのアニメ代替は、血が苦手なTVer若者世代への配慮だとも、単なる経費節減ともとれるが、手術室に登場する医療機器は本格的なので許容範囲なのだろう。

「第4話では声の小さ過ぎる心臓血管外科医(森崎ウィン)が田上によって覚醒するシーンもあり、それなりの面白さは感じますが、全体的なドラマの制作センスは20年前で停滞しているように見えます。現場はNetflixのようなシリアスなドラマを作りたいのでしょうが、頭の固い社の幹部が首を縦に振らないのでは」(フジテレビ関係者)

 ちなみに、ドラマの主人公である田上湖音波のモデルとされているのは、岐阜大学医学部脳神経外科の榎本由貴子臨床准教授。榎本医師の経歴を見ると、高校を1か月で退学しヤンキーの道へ。その後、親友の事故死をきっかけに医師を目指し、岐阜大医学部に合格した。

 現在は脳神経外科医として脳動脈瘤、もやもや病、脳卒中の外科治療、血管内治療を専門に活躍中だ。田上が劇中で「たぁけ(たわけ)!」と岐阜弁で一括するのもこうした実話をもとにしているから。とはいえ、コンプライアンス順守が厳しい昨今の医療機関にあって、「ヤンドク!」のような病院は現実味が乏しい。

「そうであるならばなおさら『ごくせん』に寄せるのではなく、元ヤン医師の壮絶人生をじっくり描いてもよかったのでは。家庭の事情や素行不良で進学をあきらめかけている若年層や保護者に、静かに届くような温かいドラマです。フジは2024年7月期に放送された目黒蓮主演の月9『海のはじまり』を成功させていますから、無理に『ごくせん』仕様のドタバタ劇にする必要はまったくなかったと思いますね」(前出のフジテレビ関係者)

 古臭い脚本に古臭い演出による類型的なキャラクター造形によって、20年前のドラマを見ている気持ちになってしまう「ヤンドク!」。今後、視聴率が上向くことはあるのか。

デイリー新潮編集部