箱根切符の山梨学院大“キティちゃんユニ”の舞台裏 主務はSNS巡回、OBは懸念…生まれた相乗効果
3位で予選通過の山梨学院大はサンリオとスポンサー契約
第102回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の予選会が18日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地─立川市街地─国営昭和記念公園で行われ、山梨学院大は10時間32分44秒の3位で6年連続39回目の本戦出場を決めた。9日には「ハローキティ」などの世界的な人気キャラクターを手掛ける株式会社サンリオとのスポンサー契約締結を発表。話題を呼んだ“コラボ”の裏話を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
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「ええっ!」
予想外のスポンサー契約を知らされた瞬間、部員たちは一斉に驚きの声を上げた。「やはり世界のサンリオさんがついたということで、もう本当に喜んでましたね」。竹ノ内佳樹コーチは教え子たちの反応をこう振り返る。
田中邦岳(ほだか)主務(3年)もその1人。「まさかサンリオさんがスポンサーについてくださるなんて思いもしなかった。びっくりの一言に尽きます」。9日に陸上競技部の公式SNSなどで公にされると、瞬く間に大きな話題に。スマホの画面をスクロールする田中主務の指はなかなか止まらなかった。
「もうずっとSNSの反響を見ていました。1日ごとに。『山梨学院、キティちゃん羨ましい』とか『可愛い』といった反応があったので、見ているこちら側としては嬉しい気持ちでした」
右胸にハローキティのロゴが入った新ユニホームで予選会を駆け抜け、3位で箱根への切符を獲得。結果発表後の報告会では、ぬいぐるみやカチューシャなどの“キティちゃんグッズ”があちこちで踊った。ジャージやTシャツにも入ったハローキティロゴはインパクト抜群。「今日歩いてる中でも『キティちゃんだ』『キティちゃんだ』という声が聞こえてきた」と田中主務ははにかむ。
OBには懸念も「注目されちゃったから…」
一方、OBの中には懸念もあった。第64回、65回箱根駅伝で同大の4区を走った伊東宣明さんは「心配だったんですよ。プレッシャーになったり、重荷になるとどうかなと。注目されちゃったから」と胸の内を明かす。杞憂に終わり、安堵の表情。ハローキティの巨大ぬいぐるみを抱えながら、マイクを握って後輩たちにエールを送っていた。
田中主務も「サンリオさんがついてくださったからにはしっかり結果を残さないと、という強い責任感も選手たちに芽生えている」と証言する。ただ、これはプレッシャーというよりも「いい相乗効果」。竹ノ内コーチは「体育会系に似合わないような可愛さ」のロゴがあることで「緊張した時に見たら緊張がほぐれるんじゃないかな」という“副産物”も期待した。
サンリオの創業者が山梨出身であることなどがきっかけで実現したスポンサー契約。いまはハローキティだけだが、さらなるコラボの実現を目論む。「先日の記者会見でキャプテンの弓削(征慶・4年)がシード権を獲得できたら反対側にハンギョドンを作ってほしいと要望したんです」(田中主務)。来年1月の本戦で10位以内に入り、新たなマークを入れることが1つのモチベーションになっている。
サンリオは「みんななかよく」という不変の企業理念を掲げる。目指す世界は「One World, Connecting Smiles.(一人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていく)」。サンリオの精神を象徴するハローキティを胸に、山梨学院大はタスキとともに笑顔も繋いでいく。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

