危険はないのか? 料金は高い? アメリカでは浸透しているライドシェアに6回乗ってみた

この記事をまとめると
■アプリで呼ぶことですぐに利用できる
■相場はタクシーと同等かそれよりも高めな印象だ
アメリカではライドシェアが当たり前のように普及
南カリフォルニア地域での移動手段といえば、空港到着直後に最寄りの営業所からレンタカーを借りるというのがいままでの筆者の流れであった。電車や路線バスでの移動も可能といえば可能だが、空港から直接運行されていないので、シャトルバスで最寄りの駅やバスターミナルまで移動し利用することになる。
しかし、昔から車内の治安がけっしていいというわけでもなく、公共交通機関での移動は日本のように時刻表も存在しないので、いつくるかもわからないという事情から、おすすめできない。
一方でタクシーという選択肢もあるが、筆者の数少ない利用経験からしても料金をごまかされたことがあるし、そもそもドライバーが英語を話せなかったこともあり、こちらもおすすめできない。そんななか空港から、さらに市内でもレンタカー以外の移動の足としてここ数年で当たり前となっているのがライドシェアとなる。

1984年のロサンゼルスオリンピック開催に伴い、大規模改修を受けたロサンゼルス国際空港は、2028年に再び開催されるオリンピックを控え、絶賛大改修を行っている。基本設計が古いことや、前述したように直接乗り入れる公共交通機関がないこともあり、自家用車、タクシー、レンタカーやホテルなどのシャトルバス、そして近年ではライドシェア車両までが、到着・出発ターミナル(多層構造)近くまで乗り入れることとなり、とくに朝晩は尋常ではない渋滞に悩まされていた。しかしいまでは、タクシーとライドシェアの乗り場をターミナルから少し離れた場所をLAX-itとして専用に設けている。

筆者は大抵、到着口を出たらレンタカー会社のシャトルバスに乗り営業所へ向かい、レンタカーを借りっぱなしにするのだが、今回はスケジュールの都合で空港からの移動などで、複数回ライドシェアを利用する機会を得た。
まずは日本からロサンゼルス国際空港に到着し、到着口を出てLAX-itへ向かう無料シャトルバスに乗った。LAX-itは空港ターミナルからそれほど離れていない場所にあり、すぐに到着した。空港自体が改修工事中ということもあるのか、LAX-itはまさに仮設感漂う場所で少々驚かされたが、バスから降りて筆者がスマホにアプリをインストールしているライドシェアサービスの乗り場へ向かう(大手2社の乗り場がある)。

大抵の人はバスでの移動の車内でスマホ操作でマッチングを済ませていた。時間がかかるのかなと思いながらもバスを降りてからマッチングを試みる。一般的なマッチング画面とは少々異なる流れとなるがマッチングに成功し、指定された乗り場番号のところへ向かう。途中、地元の女性から操作方法を聞かれたので、地元の人でもとまどうひとは意外と多いようである。
マッチングした車両は新車同然のホンダHR-V(日本でのZR-V)。手際よくリヤゲートを開け、旅行用スーツケースを積んでクルマは出発。ドライバーはヒスパニック系と思われる男性であり、車内温度は適温かと聞かれたので、少しエアコンの温度を下げてもらった。
アメリカのライドシェアではドライバーとの会話がないとは聞いていたが、「どこからきたのか?」や、「仕事できたのか?」など、タクシードライバー的な会話を車内でした。ホテルに到着後スマホを見ると、ドライバーの評価を求めるとともにチップを任意で払ってほしいと表示されていた。最低レートで料金の18%となっており、アメリカの現実をいきなり受け入れることとなった。

ホテル到着後、夕方になり晩御飯をどうしようかと考えていたところ、クルマで数分移動すると日系スーパーがあることがわかったので、ホテルからライドシェアのマッチングを試みる。このときマッチングしたのはトヨタ・ヤリス(日本でのヴィッツの最終型)。年式が古いのが気になったが、やってきたヤリスは年式以上にくたびれていてびっくりした。ドライバーは年配の白人男性だったが、かなりラフな姿も印象に残った。10分ほどの移動だったのだが、やたら世間話をしてきて車内はひとしきり盛り上がった。

全体的に相場が高いのがアメリカのライドシェア
買い物を終えてホテルへ帰るために再びマッチングを試みる。マッチングしたのは10代目シボレー・インパラ(2014〜2020年)で、ドライバーは南アジア系の年配の男性だった。筆者に興味があったのか根掘り葉掘り聞いてきて、このときの車内も大盛り上がり。その後、無事にホテルに到着した。
ヤリスとインパラのドライバーのチップは金額が表示され、利用者側で選択するようになっていた。このときの料金は安価であった。

後日、用事のあった出先から空港近くまで再びライドシェアを利用するために呼ぶと、恰幅のいい年配の白人男性が運転するホンダ・アコード(アメリカでの8代目)がマッチングした。このドライバーは寡黙に運転を続けてくれたが、印象は悪くなかった
今回、帰国はロサンゼルスから直行便ではなく、一旦ミネソタ州のミネアポリスへ行き、ミネアポリス発羽田行きの便を選んだ。ミネソタへの移動のため、宿泊先から空港まで再度マッチングを試みると、テスラ・モデルYとマッチングした。ドライバーは若い黒人男性であった。

荷物はドライバーがリヤゲートを開けただけで、筆者が積み込んだ。車内は会話なしで空港に到着、到着時も荷物は筆者が降ろした。ということで、このドライバーにはとくにチップは払わなかった。
翌朝帰国便に乗るので、夕方ミネアポリス空港に到着し、最寄りホテルへの移動のため、またまたライドシェアのマッチングを試みた。ここでマッチングしたのはICE(内燃機関)となる三菱アウトランダー(現行型)。赤い車体色のアウトランダーなので、乗り場で待っているとすぐに来たのがわかった。ドライバーは若いアフリカ系の男性。
空港最寄りとはいえ、フリーウェイを使うほどの移動距離となり、車内では雑談のなかで、ドライバーに「日本まで12時間かかる」と伝えると、「俺の国までは20時間かかる」とマウントをとられてしまった(筆者は無害に見えるのか海外だと地元の人によく声をかけられる……)。

そんなこんなで、今回計6回ライドシェアを利用したが、危険な体験というものはなかった。還暦近い筆者のような男性ということもあるのかもしれないが、利用者が女性だったらドライバーに対する印象や、実際に危険な目に遭うリスクは変わってくるのかもしれない。
なお、気になったのは利用料金で、決して安くはないどころかむしろ高めの印象を受けた。10分ほどの日系スーパーまでを例にすると、往路が約18ドル(約2700円)、復路で約16ドル(約2400円)であった。これは日本のタクシー並みといったところともいえる。
東南アジアやインドでも、国によってはライドシェアにお世話になることが多いが、今回利用した料金では、それほど安いものとはいえなかった。筆者は、世界一安い相場のインドなどでの利用が多いことも影響しているのかもしれないが……。

しかし、ほとんどのケース(ロサンゼルスエリア)では、2分ぐらいで車両とマッチングして、すぐ迎えにきてもらえる時間の早さには利便性の高さを感じた。過去にはタクシーを呼んだこともあるが、少なくともタクシーよりは確実に早く乗車することができるのは間違いないと思う。
たった6回ですべてを語ることはできないが、乗車後には必ずドライバー評価が求められることもあるので、これで一定のサービスレベルを保つことができているのだが、それでもドライバーが加害者となる犯罪が存在するのも、過去の事例を見ると事実である。
今回、タイプは異なるが感じのいいドライバーばかりだったのは、たまたまの出来事だったのかもしれない。
