東京ホテイソン・たける(写真・布川航太)

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 5月13日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に、東京ホテイソン・たけるさんがゲスト出演していました。

 今回のテーマは『習い事をしていた有名人SP あなたの人生に役立った習い事は?』でした。たけるさんは能や狂言のような岡山県の伝統芸能・備中神楽を2歳ぐらいからずっと習っていたと言います。

「伝統芸能なので、年上の方と一緒にやるんですよ。80代の方とかとやることが多いので、年上の方との接し方がわかってくる。お食事をするときがあるんで上座下座とか、あとはグラスが空きそうだったら『なに飲まれますか?』って聞くとか」

 それを聞いたMC・明石家さんまさんから「いやな子供やな〜」とツッコまれたたけるさんは、さらに「僕、小学3年生で愛想笑いを覚えたんですよ」と当時のことを明かし、スタジオを沸かしていました。

 筆者は以前、東京ホテイソンにお話をお聞きしています。

 東京ホテイソンの漫才の特徴は、たけるさんのツッコむ口調や所作にあると思います。ネタの一例を紹介すると、水族館デートの設定で彼女役のボケのショーゴさんが、イワシを長時間にわたり熱心に見ます。その熱意ある行動に対して、タケルさんが「いや! クリ〜オ〜ネ〜の尺!」と歌舞伎のような言い回しで両手を広げてツッコみます。

 この独特なスタイルの漫才になるまでには紆余曲折ありました。岡山出身のたけるさんは、岡山弁を漫才で使いたかったものの、千鳥・ノブさんの影響で断念したのです。

たける「いま(語尾で)『じゃ』を使っているのはノブさんしかいないから。岡山芸人は、たぶん『じゃ』は使えないです。

もともとコンビを組んでの初舞台は標準語でやってたんです。そしたらショーゴが気持ち悪いと。イントネーションも違うし」

ショーゴ「僕は東京出身なんで、訛っているのがわかるんですよ。だから(たけるの)ふだんの会話は岡山弁なんで漫才も『岡山弁でいったら』って。そしたらノブさんになっちゃって」

たける「意識してないところで言い方がノブさんの『なんとかじゃ〜』になって。岡山弁はもっとどぎつくて、また違うんですよ。ノブさんは岡山弁をマイルドにしてるんです。そのノブさんの岡山弁が頭の片隅にあるんで、漫才をやるとノブさんの言い方が出ちゃうんです」

ショーゴ「言い方ならまだしも、『なにを言うとんじゃ』って(ノブさんがツッコむときによくやる)グーで僕の頭をこすりましたから(笑)。『それはもうコピーしてるわ』って(笑)」

たける「『これやりてぇ』って出ちゃうんですよ」

ショーゴ「周りの芸人にも『ノブさんぽいよ』って」

たける「『千鳥2号じゃん』とか言われて」

 そこで、たけるさんが幼少期からやっていた備中神楽の要素を取り入れることになり、いまの形になったのです。岡山出身なのに岡山弁が使えないというピンチも『備中神楽』のおかげで回避。さらにその独特な漫才で、東京ホテイソンが注目されることになります。まさに備中神楽は『人生に役立った習い事』ですね。

インタビューマン山下

1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人、ライター、山下本気うどんプロデューサー、個人投資家、ファイナンシャルプランナーとして活動中。