ロンドン市場では、根強いドル高の動きが続いている。ドル円は一時155.85近辺と東京朝方の安値からは約1.3円の上昇。ユーロドルは1.06台を割り込むと、1.0550割れ水準へと下落。米10年債利回りは4.39%付近から4.42%付近へと上昇している。ロンドン時間はドル買い圧力が前面に押し出されている。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移しており、NY引け後に発表される半導体大手エヌビディア決算への期待感があるようだ。ユーロ円は164.70台まで高値を伸ばしたあとは164円台前半に上昇一服。個別通貨ではポンドが堅調。10月の英消費者物価指数が前年比+2.3%と予想以上の伸びを示したことに反応。コア前年比は+3.3%、サービス価格は+5.0%ととインフレが予想外に加速した。短期金融市場での英12月利下げ織り込みは1割程度と低くなっている。ポンドドルは1.27台乗せへと上伸したが、ドル買い圧力には抗せず1.2650割れへと軟化した。ポンド円は197円台後半まで買われたあとは、197円台前半と買い一服。ただ、対ユーロでは引き続きポンド高水準を維持している。

 NY市場では、総じてドルが堅調。そのなかで、ドル円は155円台前半まで伸び悩んだ。ロンドン時間までは一本調子の買い戻しを見せ、155円台後半まで回復していた。ドル円は再び155-160円のゾーンに復帰しようとしているが、ウクライナ軍が英国製の巡航ミサイル「ストーム・シャドー」をロシア領内の軍事目標に初めて発射したと伝わったことで、地政学リスクへの警戒感が再び高まった。ただ、市場は静観しており、ドル円は155円台は維持した。日米の金融政策に対する見方に変化はなく、FRBの12月利下げの可能性は五分五分、日銀は12月か1月の決定会合での利上げ実施と見ているようだ。この先の経済データ待ちといった雰囲気。ユーロドルは売りが加速し、一時1.05台前半に下落。本日はユーロ圏の賃金に関する重要な指標が発表になっていた。ECBがこの日発表した7-9月期の妥結賃金は前年比で5.4%上昇と、前四半期の3.5%から上昇が加速している。主にドイツが上昇をけん引していたが、これは金融緩和を進めようとしているECBの仕事をさらに複雑にする。ポンドドルも売りが優勢となり、1.26台半ばに下落。一方、ポンドは対ユーロでは上昇。ロンドン朝方発表の英インフレ指標の上振れの影響が残った。

(21日)
 東京市場では、円買いが強まった。ドル円は、東京午前に日経平均の下落などからリスク回避の動きで円が買われ、155円台を割り込んだ。その後は下げ渋り、155.20台まで戻す場面があったが、午後は再び円高に振れ、この日の安値となる154.56付近まで急落した。植田日銀総裁が午後の講演で「12月会合前に多くのデータが出る」「12月会合の結果を予測するのは不可能」と発言したことをきっかけに、円が買われた。クロス円も終盤に急落。ユーロ円は163.13付近まで、ポンド円は195.62付近まで水準を切り下げた。ユーロドルはドル安傾向となり、一時1.0555付近まで上昇した。

 ロンドン市場では、円買いが優勢。植田日銀総裁が「次回12月の日銀金融政策決定会合までにより多くのデータが得られる」と述べたことに、市場は12月追加利上げへの思惑を強めたもよう。さらに、ウクライナ情勢の緊迫化がリスク回避の円買いやドル買いにつながった。昨日はウクライナが米国製ミサイルに続いて英国製ミサイルもロシア領内に発射した。これに対してロシア側はICBMをウクライナの目標に向けて発射している。ICBMは核弾頭を装着可能とみられており、強いメッセージ性がある。欧州株が軟調に推移、米債利回りもやや低下、ドル円は155円付近から154円台割れ目前まで下落した。ユーロ円は163円台半ばから162円台割れ目前へ、ポンド円は196円台前半から194円台半ばまで下落した。ユーロドルは1.05台半ばから前半へ、ポンドドルは1.26台半ばから前半へと下押し。その後、やや値動きが落ち着く中で、英CBI製造業受注指数が予想以上に改善するとポンドは反発。対ユーロでのポンド買いが強まっている。