中国のIT企業・ByteDanceが所有する動画共有SNS「TikTok」が、生成AIを用いた独自のチャットボット「Tako」をフィリピンの一部ユーザーでテスト中であることが明らかになりました。TikTokによると、TakoはTikTokにおいてユーザーがコンテンツを見つけるのを手助けし、より多くのおすすめ動画を表示するように設計されているとのことです。

TikTok’s new AI Chatbot in Testing Could Revolutionize User Experience - Watchful AI

https://www.watchful.ai/tiktoks-new-ai-chatbot-in-testing-could-revolutionize-user-experience/



TikTok is testing an in-app AI chatbot called ‘Tako’ | TechCrunch

https://techcrunch.com/2023/05/25/tiktok-is-testing-an-in-app-ai-chatbot-called-tako/



2023年5月25日にTikTokは「フィリピンの一部ユーザーを対象として、TikTok独自のチャットボットツール『Tako』のテストを行っています」と発表しました。TakoについてTikTokは「TikTokでの検索とコンテンツの発見を手助けすることができる、AIを活用したツールです」と述べています。





Takoについて報じた技術調査企業のWatchful.aiによると、テスト中のユーザーにおいて、動画視聴画面の右側に存在する「ユーザーの詳細」「いいね」「コメント欄」などのボタンの最上段にTakoを使用するためのアイコンが表示されているとのこと。Takoのアイコンをタップすることで、AIとのチャットを開始することが可能です。



Takoはユーザーとのチャットで、視聴した動画とユーザーからの要望に基づいて、最も関連性の高いコンテンツやおすすめのクリエイターを提示します。Watchfulは「Takoによるパーソナライズされたアプローチによって、ユーザー個人の興味や好みを反映することが可能です」と述べています。



TikTokはTakoについて「Takoはサードパーティーのチャットアシスタントを利用しており、TikTok上でユーザーが面白いコンテンツや感激するコンテンツを簡単に見つけられるように設計されています」と述べています。





ニュースメディアのTechCrunchによると、見たい動画を探している場合、「面白いペットの動画」といった内容をTakoに伝えると、動画の名前やコンテンツの作成ユーザー、動画へのリンクを含む結果のリストを生成するとのこと。その後ユーザーは表示されたビデオのサムネイルをタップすることでおすすめされたコンテンツをチェックすることが可能です。

Takoを起動すると、「Takoはまだ実験中で、Takoから得られるフィードバックには真実、正確でない回答が含まれている可能性があります」との免責事項が表示されます。また「Takoに対して医学的、法的、財務上のアドバイスを求めるべきではありません」と明示されています。さらに、Takoと行われたすべての対話が安全上、または開発上の目的でTikTokと共有されることについても言及されており、プライバシーの観点から個人情報などをTakoに対して入力しないことが推奨されています。



TikTokの広報担当者はTechCrunchに対して「我々はTikTokのコミュニティに付加価値を与える新しい技術を常に模索しています」と語っています。さらに「ユーザーの創造性を刺激し、インターネット文化を促進する安全な場所を構築し続ける中で、新たな機能に対してコミュニティからのフィードバックが寄せられることを期待しています」と述べています。

なお、TikTokはTakoに関して、「現段階ではフィリピンの一部ユーザーで行われている初期テスト以外の計画はありません」と発表しています。