「5000円でビッグマックはいくら買えるのか?」などの指標を打ち出す「購買力平価」とは?

国と国との生活水準や生産性の違いを比較するためには、物価の違いなどさまざまな要因を考慮する必要があります。その際に使われるマクロ経済分析の指標「購買力平価(PPP)」について、経済専門家のマイケル・ボイル氏が解説しています。
What Is Purchasing Power Parity (PPP), and How Is It Calculated?
https://www.investopedia.com/updates/purchasing-power-parity-ppp/
このPPPを用い、バスケットをビッグマックに変えて「5000円あればビッグマックをいくら買えるのか」という指標を打ち出して為替レートを評価するなどの試みも行われています。

各国の物価を比較するためにはさまざまな財やサービスを比較しなければなりませんが、この量は膨大で現実的ではありません。この比較を容易にするために、ペンシルバニア大学と国連は協力して、1968年に国際比較プログラム(ICP)を立ち上げています。
このプログラムにより、何百ものさまざまな財やサービスの価格を比較する世界的な価格調査を根拠としてPPPが算出されており、マクロ経済学者が世界の生産性と成長率を推計するのに役立てられています。
また、FXトレーダーの中にはPPPを利用して潜在的に過大評価されている通貨や過小評価されている通貨を見つけ出す人もいます。外国企業の株式や債券を保有する投資家は、為替レートの変動がその国の経済への影響を予測するために、PPPの数値を利用することがあるとのこと。
現代のマクロ経済学においては国内総生産(GDP)について、物価変動を考慮して「名目GDP」と「実質GDP」に分けて考えることがありますが、GDPをPPPで調整して考えることもあるそうです。以下が国際通貨基金のデータをもとに経済メディアのボイル氏が作り上げたチャートで、左がPPPを加味したGDP、右が名目GDPです。

以上のチャートを掲載するにあたり、ボイル氏は「名目GDPの比較は、通貨が操作されている可能性があるため、不正確な場合があります。商品バスケットに基づくPPPを加味したGDPの方が、より公平な国家間比較となり得ます」と述べています。
ただし、PPPは商品の輸送費や関税、各国の人件費や光熱費などを正確に考慮しきれないため、完璧な測定基準ではないともボイル氏は述べました。
