市場介入警戒モードのFX市場はどう動く?外為オンライン・佐藤正和氏
9月22日に行われた市場介入は、円高に対応するために実施された2011年11月以来、約11年ぶりの市場介入となりましたが、ドルを売って円を買う円安対応の市場介入となると、実に24年3か月ぶりの介入になります。市場介入は、対費用効果という面では効果が薄く、行われないだろうという市場関係者の大方の予想に反して、日本政府は単独で踏み切ることになりました。
当日は、黒田日銀総裁が金融政策決定会合後の記者会見で、これまでのスタンスを変化させない姿勢を改めて表明。同時進行の形でずるずると145円90銭まで円安が進み、財務省も市場介入に踏み切るしかなかった、というところでしょうか。
市場介入の効果は、鈴木財務大臣がコメントしたように、ある一定の効果はあったと思います。5円程度円高が進み、その後も市場介入があるのではないかという不安心理から、円安に対して一定の歯止めがかかっているのは確かだと思います。ただ、すでに144円台にまで回復しており先行きは見通せない状況です。
――今後も、政府は市場介入して来るのでしょうか?
いちどやってしまった以上、ここで止めてしまうというわけにはいかないと思います。ただ、現時点では米国が協調介入する可能性は極めて低く、1ドル=145円を超えて円安が進んでいくと、単独介入とはいえ、政府・日銀はまた市場介入に踏み切ると思われます。
とはいえ、為替市場の市場介入は繰り返せば繰り返すほど、その効果は低くなっていきます。私自身、現役時代に何度も経験していますが、FRBのインフレ対応=金利引上げがピークアウトしていかなければ、いずれ市場介入は効果の薄いものになってしまうと考えられます。
問題はその金利引上げですが、10月はFOMC(米連邦公開市場委員会)会合がないものの、11月に入ってすぐの1日〜2日に実施されます。今のところ「0.5%」の金利引上げが予想されていますが、今後発表される景気指標によっては、0.25%もしくは0.75%になる可能性もあります。
――インフレはなかなか収まる気配がありませんが……?
10月7日に発表される米雇用統計がひとつの目安になると思いますが、9月の非農業部門雇用者数は市場予想では25万人増となっています。前回の8月は31万5000人増でした。失業率も前回の8月は3.7%とわずかに悪化。9月も同じく3.7%と予想されています。
さらに10月13日に発表される9月の「CPI(消費者物価指数)」も重要な指標になりますが、市場予想では総合指数で前月比0.2%の上昇、コア指数で同0.4%の上昇となっています。ここにきてFRBの急激な金利引上げによって、原油価格が瞬間的に1バーレル=73ドル前後まで下落するなど、その効果が徐々に現れつつあります。NY市場を始め世界の株式市場も大きく下落し、金などの資源価格も値を下げています。
