市場介入警戒モードのFX市場はどう動く?外為オンライン・佐藤正和氏
インフレはいずれピークアウトするのではないかと考えられますが、それまでにFRBがどの程度金利を引き上げるかが問題になります。アトランタ連銀のボスティック総裁が「年末までに政策金利を合計でさらに1.25ポイント引き上げることを支持する」と表明するなど、タカ派的な発言が目立っています。この傾向はしばらく続くものと思われ、当面はドルの独歩高と言って良いでしょう。
――英国ポンドが大きく揺れていますが……?
この背景には、英国の新しい首相となったトラス新首相による追加減税が想定以上に大きかったためですが、追加減税がインフレを加速させるのではないかと言う懸念が拡大し、ポンドが売られました。長期国債の金利上昇が止まらず、イングランド銀行の介入もまた想定外のものだったようです。
一方で9月25日のイタリア総選挙で、野党の「イタリアの同胞」が第1党に躍進。EUのロシアに対する制裁が揺らぐのではないか、といった懸念が拡大したためユーロ安が進みました。10月27日に実施される「ECB(欧州中央銀行)理事会」には要注目です。
−−10月の予想レンジを教えてください。
政府が為替市場に対して市場介入を行ったことで、一本調子の円安は考えにくくなったかもしれませんが、ヘッジファンドなど1部の投資家は、その市場介入を逆手にとって政府の思惑を超える円安を仕掛けてくる可能性が十分にあります。そういう意味では10月の相場もまた大荒れになりそうです。10月の予想レンジはいつもより幅広く考えた方がいいかもしれません。
●ドル円……1ドル=138円−148円
●ユーロ円……1ユーロ=135円−145円
●ユーロドル……1ユーロ=0.94ドル−1.01ドル
●英国ポンド円……1ポンド=150円−160円
●豪ドル円……1豪ドル=90円−96円
−−10月の為替相場で注意すべきことは?
いつどのタイミングで市場介入が実施されるのかが重要なポイントになります。145円を超えたあたりがひとつの目安になると考えられますが、円高時の市場介入と違って、1回あたり3兆円を超える外貨準備=ドルを売却して、円を買い戻すにはやはり限界があります。単独介入を余儀なくされることも影響して、政府も慎重に市場介入のタイミングを計ってくると思います。
こういうときのトレードでは、できる限り「指値」「逆指値」などの機能を使って、資産を大きなボラティリティから守る工夫が必要です。さらにその時に指定するレートは、できれば「想定外」の数値がいいと思います。それだけボラティリティも大きく、投資家も想定外の水準を目指してくると考えられます。
いずれにしても、瞬間的に1ドル4円〜5円動くようなボラティリティの大きな市場では、利益を出せるチャンスは大きい反面、損失も大きくなります。できる限りリスクを抑えて、ロスカットにならないようなトレードを心がけましょう。(文責:モーニングスター編集部)
