中古スポーツカーの価格が新車の高級車が買えるレベルにまで爆騰! 今後値下がりするかはアメリカの動向次第だった

この記事をまとめると
■海外での人気が日本市場での品薄を招き、一部スポーツカーの中古車価格が爆騰している
■日本のスポーツカーはますます減っており、中古車市場に出まわる台数も減ると予想できる
■BEVシフトにより内燃機関のスポーツカーの中古車価格にプレミアムがつく可能性が高い
一部のネオクラシックスポーツカーの高騰が止まらない
R32/R33/R34 GT-R、S15シルビア、80スープラ、FD3S RX-7など、海外市場での需要が拡大して日本市場では品薄となり、価格が急上昇。そんな話を聞くようになって、久しい。アメリカの一部の州などで、25年ルール適用によって往年の右ハンドル車がアメリカ国内で売買できるという話も、これまでさまざまなメディアが報じてきた。

では、改めて日本から海外に輸出されている中古車は、どこ向けに何台なのかを確認してみたい。
日本中古車輸出業協同組合によると、2021年1月から12月までの中古車輸出総数は、122万4924台となり、前年比115.3%と伸びている。輸出国別では、トップがロシアで16万2249台、次いでアラブ首長国連邦13万3231台、ニュージーランド10万4953台、チリ8万8781台、ケニア7万3459台、モンゴル6万3505台、タンザニア6万2428台と続く。
こうした国で人気の日本車は、それぞれの国の事情で違いがあるが、プリウスやアクアなどの日本でも需要が高い大衆車が主流だ。

一方、25年ルール対象となるアメリカは、当然ながら年間輸出国トップ20にも入っていない。希少価値のあるネオクラシックカーの数に限りがあるからだ。
アメリカに限らず、日本から輸入したクルマを利用することができる国では、その国で需要があるのに日本での供給量が少ないクルマも多く、その影響が日本の中古車市場での値上がりを生むことになる。そのうえで、大衆車と比べて生産台数が少ないスポーツカーは、アメリカの25年ルールのような特例措置があると、日系スポーツカーの価格が高騰するという図式だ。
スポーツカーバブルは弾ける可能性はあるが価格は落ちにくい
では、今後についてはどうなっていくのだろうか?
まず、日系メーカーでスポーツカーのモデルラインアップが減っている。現時点で主なところでは、スープラ、フェアレディZ、ロードスター、GR86/BRZといったお馴染みの面々がスポーツカー文化をなんとか下支えしている状況だ。

そのうえで、日系メーカーがガソリン車、またはハイブリッド車でスポーツカーを新しく導入する可能性は極めて低い。そうなると、中古車市場での流通台数も減少傾向が止まらないことになる。
また、BEV(電気自動車)シフトがグローバルで急速に進んでおり、BEVスポーツカーの需要がどれほどになるのか、現状では見通せない状況にある。逆の発想として、BEVシフトが進むことで、ガソリン車やハイブリッド車のスポーツカーの中古車価格にプレミアムがつく可能性も考えられる。

一方、アメリカのネオクラシックスポーツカー市場の将来も不透明だと言わざるを得ない。すでに、投資案件のような扱いでバブルっぽい価格上昇にある状況であり、こうした異常な市場が今後も成立するとは考えにくいからだ。
以上のように、スポーツカー市場にとって大きな変革期となる2020年代から2030年代にかけて、スポーツカーの中古市場相場が値下がりに転じる可能性は低いが、一部の超高額車に関してはバブルがはじける可能性は否定できないだろう。

いずれにしても、海外市場での動向が、今後も日本中古車市場でのスポーツカー価格に大きく影響を及ぼし続けることは間違いなさそうだ。
