『閃光のハサウェイ』に繋がるガンダムTVシリーズ3部作の戦争と歴史
そこで、『閃光のハサウェイ』へと繋がっていく宇宙世紀(U.C.)を背景としたガンダムシリーズの魅力を紹介する連載企画がこの度スタート。第1回目はシリーズの原点『機動戦士ガンダム』(79~80年)、その続編となる『機動戦士Zガンダム』(85〜86年)、『機動戦士ガンダムZZ』(86~87年)のTVシリーズ3作品にスポットを当てて、その歩みを紐解いていこう。
人類は、人口増加対策として宇宙空間に人工の生活空間「スペースコロニー」を建造。しかし、地球連邦政府が「サイド」と呼ばれるスペースコロニー群を植民地的に管理したことから、宇宙生活者(スペースノイド)の不満が爆発。地球から最も遠い〈サイド3〉において「宇宙で進化した人類は、地球から独立すべき」という理念を基にした自治独立運動を経て、その政治的実権を握ったザビ家が独裁制を敷いた「ジオン公国」を名乗ったことから独立戦争へと発展。その理念は、ギレン・ザビによって「エリートとなったスペースノイドは、地球に従う必要はない」という考え方にすり替えられてしまう。
シリーズ第1作となる『機動戦士ガンダム』は、連邦軍劣勢で迎えた宇宙世紀0079を舞台に、サイド7に住む少年アムロ・レイがジオン軍の奇襲をきっかけにして、連邦軍の新型モビルスーツ・ガンダムに乗り込み、強襲揚陸艦「ホワイトベース」で少年少女たちとともに戦火をくぐり抜けていく姿を描いていく。
▲『機動戦士ガンダム』宇宙で進化した人類=ニュータイプの物語として帰結していく『ガンダム』の続編として制作された『Zガンダム』で、その背景の歴史はさらに複雑化し、後のシリーズへと影響していくことになる。
再び一年戦争のような状況が訪れることを警戒するがゆえに、連邦軍内部では地球至上主義のエリート部隊「ティターンズ」が台頭。市民運動などの反抗に対して武力による弾圧を強めていく。これに反発する連邦軍内部のスペースノイドたちは、反地球連邦運動「エゥーゴ」を設立。事態はティターンズとの武力衝突へと発展していく。
『機動戦士Zガンダム』は宇宙世紀0087年、スペースコロニー・グリーンノアに住む少年カミーユ・ビダンは、ティターンズの士官ジェリド・メサと諍いをおこし、彼のモビルスーツ・ガンダムMk-IIを強奪するところから始まる。エゥーゴに迎えられたカミーユは、そこでクワトロ・バジーナと名乗る(赤い彗星=)シャア・アズナブル、ホワイトベースの元クルーであるブライト・ノア、ハヤト・コバヤシ、長い幽閉生活から目覚めたアムロ・レイと出会っていくことになるのだ。
▲劇場版『機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-』さらにそのタイミングで、一年戦争終戦時に撤退する形で地球圏から離れていたジオン公国軍の残党「アクシズ」が連邦軍内の内戦に干渉していくことに。アクシズの目的はスペースノイドの独立ではなく、あくまでも「ザビ家の再興」にあり、その利を巡って三つ巴の戦いが繰り広げられることとなる。「グリプス戦役」と呼ばれることとなるその内戦は、ファーストガンダムのジオン公国と連邦政府の戦争が、時代の変化に合わせてより思想的な対立へと姿を変えたものといえるだろう。
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『Zガンダム』に続く『機動戦士ガンダムZZ』は、グリプス戦争の最終決戦後、ティターンズ崩壊と引き換えに勢力が弱まったエゥーゴを尻目に、指導者ハマーン・カーン率いるアクシズ軍が地球での支配領域を拡大していく状況下の物語となった。
サイド1のコロニー・シャングリラに入港したアーガマに潜入して一儲けを企んだジャンク屋の少年ジュドー・アーシタは、妹リィナをアクシズにさらわれてしまったことをきっかけにエゥーゴに参加。新型MS・ZZガンダムのパイロットとしてハマーン艦隊を追う。
▲『機動戦士ガンダムZZ』ハマーンは、ドズル・ザビの娘であるミネバ・ラオ・ザビを総帥に据えて「ネオ・ジオン」を名乗ると、各サイドに制圧部隊を送りつつも攻撃は行わずに恭順させるという戦略を実行。地球に残っていた旧ジオン軍の残存勢力を束ねて戦力の増強を図る。一年戦争の悪夢を思い出させるコロニー落としを敢行するなどの示威行動を経てネオ・ジオンはサイド3を地球連法政府から譲渡され、遂に念願の独立国家としての道を歩み始める準備が整っていく。
しかし、ネオ・ジオン内部でザビ家の正当な血統を受け継ぐというグレミー・トトがハマーンに反旗を翻し、内戦が勃発。お互いを潰し合う戦いにエゥーゴが介入した結果、ネオ・ジオンは崩壊の道を辿ることとなる。
改めて3作を並べてみると、『機動戦士ガンダム』はジオン公国が地球圏に影響を与える発端の物語、『機動戦士Zガンダム』は一年戦争が浮き彫りにした地球連邦の政治的な問題の発露と拡大、そして『機動戦士ガンダムZZ』はジオン公国の再興と野望の終焉と、1つの太い時間線が浮き彫りにされる。
地球に住む者と宇宙に住む者の思想的な違いから始まった戦争は、ザビ家の独裁の影響が大きくなったことにより一旦終わりを迎えるも、以後も地球連邦とスペースノイドの間の火種は燻り続け、そのパワーゲームは最新作『閃光のハサウェイ』まで大きな影響を及ぼすこととなるのだ。
▲『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』思想・政治が噛み合わないことによって起こる戦争、それによる権力の堕落・国家の衰退は、実際の歴史でも繰り返されてきている。初期のガンダムTVシリーズを「3部作」として捉え、改めてそんな視点で観てみれば、作品の趣もまた一味変わってくるのではないだろうか。
>>>『機動戦士ガンダム』〜『機動戦士ガンダムZZ』場面カット&ソフトパッケージを見る(写真17点)
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