三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用している「人生100年時代・世界分散ファンド」は、私たちのライフステージを進化させ、「人生を送るための資金(お金)」の問題の解決策になると期待される。同社の伊藤健人氏と田村一誠氏に、同ファンドの狙いと魅力について聞いた。(グラフは、「人生100年時代・世界分散ファンド」の設定来のパフォーマンスと月次の資金流出入の推移)(情報提供:モーニングスター社)

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 2050年ごろには先進国の半数の人々が100歳まで生きるようになるという研究結果がある。そして、日本は2050年には65歳以上の高齢者が人口の約4割を占める社会になると予測されている。この超高齢社会が明るい社会になるのか、暗く厳しい社会になるのかは、私たち一人ひとりの行動にかかっている。コロナ禍で、私たちは想像もできない変化が突然やってくる現実を思い知らされた。三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用している「人生100年時代・世界分散ファンド」は、私たちのライフステージを進化させ、「人生を送るための資金(お金)」の問題の解決策になると期待される。同社の伊藤健人氏と田村一誠氏に、同ファンドの狙いと魅力について聞いた。

 ――「人生100年時代・世界分散ファンド」は、「年金2000万円問題」が話題となる1年前の2018年8月に設定され、「資産成長型」「3%目標受取型」「6%目標受取型」の3コース合計で、月次の資金流入が設定来33カ月連続で続いています。このファンドの企画意図は?

伊藤 これまでの人生は、大まかに3つのステージで考えられてきたと思います。まず、学校や大学で「学ぶ・教育の時期」。第二に、就職して「仕事に専心する時期」。そして、最後に会社や仕事を引退した後の「引退後」です。しかし、100歳まで生きる人生は、この3段階の人生とは根本的に異なると考えられます。

 2017年9月に始まった政府の「人生100年時代構想会議」で良く引用されていたリンダ・グラットン氏の著作『ライフ・シフト』には、「何歳になっても学び直しができるリカレント教育」や「人生のマルチステージ化」という考え方が出てきます。『ライフ・シフト』の共著者で経済学者のアンドリュー・スコット氏の試算によれば、100年の人生を生きるためには、人は少なくとも75〜85歳まで働かなければならないといいます。70歳の人に、30歳の人と同じような働き方はできません。つまり、年齢により変わる時々の状況に応じて、新しいことを学び、新しいスキルを身につけていく必要がでてくるということになります。

 グラットン先生の受け売りですが、たとえば、イギリスの高校生は大学進学までにギャップイヤーという自由期間を持っており、その間に数カ月をかけて世界中を旅するそうです。日本の中高年にも、そうした時間を持てる仕組みがあってもいいのではないでしょうか。働き方を転換するまでにギャップイヤーを設け、それ以降の人生プランを考えられることが望ましいと思います。これまでの「教育」「仕事」「引退」という一直線の考え方ではなく、「引退」も含め、その時々で「教育」と「仕事」が絡み合うマルチステージの人生プランが必要となってくると思います。

 また、ワークスタイルについても、フルタイムが必ずしも最善であるとは限りません。介護や子育て、スキル習得など人生の場面に応じてパートタイムを選ぶ時期があっていいと思います。自分で働く時間をコントロールできる起業も選択肢になるのではないでしょうか。日本の働き方改革は、コロナ禍でステージが1段階上がりましたが、今後、さらに多様な働き方が生まれると思います。

 老後の暮らし方もまた変わります。定年後に趣味三昧の生活を送るだけでは、100年の人生は長過ぎます。パートタイムで働き社会との関わりを持つ、あるいは地域活動やボランティア活動を通じて社会に貢献をするということも、選択肢として考えていく必要があるでしょう。

 このようなマルチステージの人生プランを行う際に、しっかり向き合わなくてはならないことの一つとして「人生のお金の問題」があります。スキルを学び直すために仕事を中断しようと思った時、「必要な蓄えがない」という事態に陥る恐れもあります。引退者を対象にした最近の調査では、70%もの人がもっとお金を貯めておけばよかったと後悔しています。この時代に、運用会社としてできることがないかと考えました。