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その書類、実はおカネになります

申請すればおカネをもらえるのに気づかず放置している人は珍しくない。たとえば企業年金では、なんと114万人以上が、本来もらえるおカネを受け取っていない。

「住所が分からず、請求書が届いていない人が61・9万人います。さらに、請求書は届いたが手続きをしていない人も52・6万人いる。

20〜30代の数年間勤めただけで、しかもその後結婚して姓も変わってしまった。住所も分からず知らせが届かないし、本人も企業年金をもらえることを把握していないケースが非常に多いのです」(『あなたのウチの埋蔵金』著者の荻原博子氏)

しかしほとんどの人は、退職時に厚生年金基金加入員証をもらっているはずだ。企業年金には5年の時効があるので、まずは急いでこの書類を見つけたい。

見つけるだけで、大きなおカネに化ける書類は他にもある。

通院、入院などでかかった医療費の領収書をとっておけば、年間10万円を超えた分は医療費控除の対象となる。通院時のタクシー代なども医療費として認められ、確定申告をすることで年金から天引きされていた所得税が還付される。

一方、入院や手術などをしていなければ、10万円も医療費がかからない人もいるだろう。そうした人もドラッグストアのレシートは集めておきたい。

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「花粉症の薬や塗り薬、胃の薬など、『スイッチOTC』と呼ばれる市販薬の購入額が年間1万2000円を超えた場合、確定申告で税金が戻ってきます。星印がついている項目が対象となるので、捨てずに集めておきましょう」(前出・荻原氏)

老親の葬儀の領収書も、捨ててはいけない。葬祭を行った日から2年以内であれば、役所の国民健康保険課に申請すれば、葬祭費を振り込んでもらえる。東京23区であれば7万円、それ以外の地域は3万〜7万円が支給されるのが一般的だ。

会社を定年退職し、新たな職を探す人もいるだろう。その場合、離職票と証明写真、預金通帳などをハローワークに提出する。

65歳以上の人の場合、高年齢求職者給付金がもらえるからだ。これまでやってきた仕事の賃金にもよるが、一括で最大33万7500円を受け取ることができる。

このおカネを受け取るのは、雇用保険で認められた当然の権利だ。知り合いの伝手で就職するからハローワークに用がないという人も取り逃してはいけない。

JA共済やコープ共済の出資金も、意外と見落としがちな資産だ。共済掛金払込証明書を見れば、いくら出資しているかが判明する。組合員だった連れ合いが亡くなれば、脱退手続きを行い、出資金を返してもらおう。

たった一枚の書類があるだけで、こんなにおカネが戻るのだ。

『週刊現代』2021年4月10・17日合併号より