西武のコーリー・スパンジェンバーグ【写真:宮脇広久】

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公式戦開幕前の最後の実戦では1番打者で3打数2安打1四球を結果を残した

 西武の新助っ人外国人コーリー・スパンジェンバーグ外野手は14日、公式戦開幕前の最後の実戦となったロッテとの練習試合に「1番・左翼」で先発出場。3打数2安打1四球と初の1番起用となった前日13日に続く活躍で、開幕スタメン1番を当確させた。一方、今年メジャーに移籍した秋山の後釜としてずっと1番を打ってきた金子侑司外野手は「9番・中堅」で4打数無安打に終わり、明暗を分けた。

 辻監督はスパンジェンバーグを「非常にいい。スイングが強くて、意外に長打も打てる“ツボ”を持っている。しっかり振れるから、詰まってもヒットになるのかな。チームに勢いをつけるバッターで期待してます」と絶賛。開幕スタメン1番起用を「そういう形にせざるをえない。金子はちょっと(打撃不振で)参っている。シーズンではスパンジー(スパンジェンバーグの愛称)の調子が落ちることもあるだろうし、いろんなバリエーションを持てると思う」という表現で認めた。

持ち前の走力、長打力に加え、最大の持ち味はユーティリティー性

 足も速いが、今月2日から3試合連続4本塁打の固め打ちを見せた長打力も秘める。ただでさえ破壊力抜群の“山賊打線”が、スパンジーの1番起用でなおさら脅威となりそうだ。加えて、スパンジェンバーグ最大の持ち味はバッテリー以外どこでも守れるユーティリティー性。この日も7回からベンチへ退いた中村に代わり三塁に回った。

 今季の西武の外野レギュラーは、スパンジェンバーグ、金子、打撃好調の木村の3人で固まっているが、指名打者兼任の栗山が控え、26歳の川越、22歳の鈴木も急成長している。仮に三塁・中村、遊撃・源田、二塁・外崎、一塁・山川の不動の内野陣の誰かが故障や休養で外れる際にも、スパンジェンバーグがそのスポットを埋めることで打線の破壊力低下を最小限に抑えることができる。

 物静かでパフォーマンスとは無縁の新助っ人も、首脳陣にとってはなんとも重宝する存在となりそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)