下取り価格を考えると5年程度ならまだ価値が高い

 クルマ好きにとって、クルマに乗ることはそもそも損得勘定ではない、とお叱りの声が聞こえてきそうではあるが、実際のところ1台のクルマに10年間乗り続けるのと定期的に乗り買えた場合、どちらがオトクなのだろうか?

 一般的に新車を購入すると当然ながらメーカー保証というものが付随する。これがあれば事故や人為的な原因による故障以外は、基本的にユーザーが出費をすることなく修理をしてもらえるというものだ。

 このメーカー保証、国産車ではエンジンやトランスミッション、ブレーキといった重要な部分の特別保証が5年10万km、エアコンやナビ、パワーウインドウなどが一般保証で3年6万kmというのが一般的だ。そして、延長保証に加入すれば一般保証も5年10万kmになる、というのがよくあるパターン。

 つまり、1台のクルマを10年乗ろうとすると、どうしても途中で保証が切れてしまい、その後の故障は有償修理となってしまうのである(一部メーカーではさらに保証延長できるプランを用意しているところもあるが)。

 それとバカにできないのが5年後と10年後の下取り価格の差だろう。車種にもよるが、大きな事故などをしていない限り、5年後でも新車価格の30%〜60%程度の下取り価格が付くのが一般的。しかし、これが10年後となると、車種によってはほぼゼロに近い価格まで下がってしまうことも少なくないのだ。

 また、消耗品についても5年くらい乗るとタイヤやバッテリーといった、まあまあ金額のかさむ部分が交換時期となり、一気に出費が増えてきてしまうことだろう。

諸々の諸費用と下取り額を考えれば5年がベターか

 そう考えると、新車で購入して5年程度で乗り換える、というのが一番出費が抑えられる賢い乗り換え方ということが言える。もちろん乗り換えてしまえば、タイヤやバッテリーも新品となるし、乗り換え時の下取り価格にも期待できる。

 最近では3年後の初回車検の費用も含め、54カ月目までの車検点検整備をまとめた点検パックなども用意されている。車両価格に含めて自動車ローンを組むこともできるため、2回目の車検時に乗り換える=5年ごとの乗り換えというのが、余計な出費もかからずある程度クルマにかかる費用を計算できるタイミングと言えるだろう。

 もちろん、気に入ったクルマを愛でながら10年20年と乗り続ける方法を否定するつもりはないが、趣味のクルマを持ちながら実用車を保有するようなユーザーにとっては、こういう乗り方もオススメできるのではないだろうか。