ニコンのミラーレスカメラ「Nikon Z 6」の実力に驚愕! 最悪条件の東京ゲームショウ2019のコンパニオン撮影にチャレンジ

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ニコンは、ソニーの独壇場だった日本のフルサイズミラーレス市場に、
「Nikon Z 7」、「Nikon Z 6」で参入した。
カメラメーカー大手のニコンが参入すると言うことで話題となってから、1年が経つ。

発売当初は、顔認識AFはあるもののソニーのαシリーズに搭載されていた瞳AFがないことなどから、ソニーとニコンではデジタル処理の技術に差があるかのように思われていた。

ところが今年に入って、Zシリーズに瞳AF機能を搭載することがアナウンスされ、5月にはファームウェアV2.0にアップデートすることで、ニコンらしく使い勝手が良い瞳AFが使用できるようになった。

こうしたアップデートに対応できるよう、チップセットの処理能力やメモリーなど、先を見据えて搭載されていたのかと思うと、ニコンの本気度をうかがい知ることができる。

さて、今回は、
・最新のファームウェアを搭載したZ 6
・最新のポートレートレンズ「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」
これらを使って、千葉県・幕張メッセで9月12日〜15日(一般公開日は14・15日)に開催された「東京ゲームショウ2019」のコンパニオン撮影にチャレンジしてみた。

実は、「チャレンジしてみた」という表現を使ったのには、ワケがある。


この写真のように、幕張メッセの展示会場は照明ない真っ暗な状態である。
このため、撮影条件としては、非常に厳しいロケーションなのである。

基本的に、コンパニオン撮影は暗い通路側から明るいブースを背景にして撮影するため、逆光に近い条件となる。

さらに、周囲は薄暗いため暗所でのオートフォーカス性能が試される。
カメラによっては、暗くてピントが合わないどころか、オートフォーカスが作動しない!・・・なんてこともあるのだ。

そして、高感度性能が良くなければ綺麗な写真にはならない。

こうした悪条件に対して、できる対策は、
・AF補助光替わりになるクリップオン式のストロボを使用する
この方法のメリットは、オートフォーカスの作動をサポートし、被写体にストロボ光があたるので、明るく撮影することができることだ。
一方、デメリットは、カメラ任せのオート設定ではストロボ光が強くなり、人物だけ明るく背景が真っ暗になるケースや、ストロボ光独特の不自然なテカリが気になるケースが発生してしまうことだ。

もう一つの対策は、
・レンズの開放F値が小さい“明るい”レンズを使用する
通常のズームレンズはF3.5-5.6という開放F値が大きいものが多い。
それに対して、明るいレンズはF1.4からF2.8のF値が小さいものを指す。

ズームレンズの望遠側F5.6に対して、F1.4の単焦点レンズは16倍光りを多く取り込むことができる。
例えば、
F5.6のレンズでは暗すぎてISO 25600まで上げる必要があるシーンでも、
F1.4のレンズならISO1600で撮影しても同じ明るさになる。

さらに、東京ゲームショウのように背景に様々なものが写り込む撮影環境では、明るい単焦点レンズならではのボケ効果が役に立つ。
今回使用した85mm F1.8(もしくはF1.4)は中望遠のポートレートレンズの定番と言われるもので、適度な距離感での撮影でも大きな背景ボケ効果を作ることが可能なのである。


今回は、こうしたレンズのメリットを活かしながら、ストロボなしのZ 6で撮影を行っている。撮影データは「RAW」形式で撮影し、後でAdobeの「Lightroom」で現像(画像処理)を行った。

なお、F1.8の明るいレンズとは言え、手ブレしないシャッタースピードを確保する必要があるため、ISO感度は2000以上、ほとんどが3200を超える高感度での撮影となっている。








薄暗いなかでも最新の瞳AFは機能した。
構図を決めてシャッターボタンを半押しするだけで、素早くピント合わせが可能であった。

一眼レフカメラでは、このように背景が明るく、薄暗いため被写体がほとんど影に近い逆光となってしまうシーンにおいて、被写体を見失ってピント合わせができないと言うことを経験してきた。
しかしZ 6では、逆光のシーンでもイメージセンサーを増感して明るい映像からピントを合わせるため、悪条件をものともせず気持ち良く撮影することができた。










フォーカスエリア(ピントあわせをできる範囲)が中央に集まっているフルサイズの一眼レフカメラと違って、イメージセンサーの広いエリアでピント合わせが可能なミラーレスカメラは、構図を決めてからオートフォーカスでピント合わせをすることができる。

上の写真のようにポーズに合わせて構図を決めて撮影できるので、初心者でも扱いやすいのではないだろうか。もちろん、被写体が中央にいなくても瞳AFが目にしっかりとピント合わせをしてくれるのである。











スマートフォンでも背景をぼかす機能を持つ機種が増えているが、光学的なボケは被写体の輪郭に不自然なところがなく、距離に応じて自然に溶けるようにボケていくので、被写体だけ浮き上がるような別次立体感を表現することができる。










このように、背景に人物が写り込むようなシーンでも、明るい中望遠レンズであるNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sなら、背景として自然にぼかすことができプライバシーを侵害することなく被写体だけを切り取ったような写真にすることができる。

ニコンのミラーレスカメラには、もう1台、高画素モデルのZ 7がある。
こちらは屋外やスタジオなど十分な光量がある撮影で、最高の結果が残せるカメラである。

一方、Z 6は大きなポスター出力などでは、Z 7ほどの解像度を出すことはできない。
しかし明るいシーンから今回のような暗いシーンに至るまで、幅広い高感度性能と高画質で対応するオールラウンダーのカメラなのである。

冒頭のうす暗い会場でこのような明るい写真が撮れること、これが高感度に強いカメラと明るいレンズの組み合わせのなせる技といえる。

既にミラーレスカメラやデジタル一眼レフカメラユーザーには、
・明るいレンズの組み合わせをオススメしたい。

またスマートフォンで写真に興味をもったユーザーには、
フルサイズミラーレスへのデビューをオススメしたい。
執筆  mi2_303