「来週までにキャッシュで4000万円返却しないと……」

 “闘う投資家”として、立ち技格闘技団体K-1で活躍する現ウェルター級王者・久保優太(32)をまさかの事態が襲った。株取引で2億2千万円の損失を出し、一瞬にして利益が消失。一転して借金4000万という窮地に陥ったのだ。自身のツイッターで発表するも、一部ファンからは「どこまでが事実なのか」という疑問、心配の声だけでなく「ざまぁみろ」といった心無い声までが上がっている。その真相を本人に聞いた。

「色々な憶測が飛んでいますけど、大損は事実です。妻のサラちゃんや親族にお金を借りて、なんとか証券口座への支払いを済ませましたが、借金を抱えていることに違いはありません」

 株取引での大損を認めた久保は、22歳でK-1デビューを果たした後、7年前に株式投資を開始した。これまでに株で得た利益は5億円を超え、お嬢様育ちの妻・サラさんとテレビ出演を果たすなど“パリピ生活”は彼の代名詞ですらあった。K-1のチャンピオンでありながら、億単位の利益を出す投資家“億トレ”という完璧なスペックゆえに、妬みを買うこともあった。それが一瞬にして“パーで”ある。その時、周囲の反応はどうだったのか。久保は次のように振り返る。

「(周囲の反応は)めちゃめちゃ冷たかった。友達に青汁王子(20代で年商100億円を超え、「青汁王子」として多数のメディアに出演。今年9月に約1億8000万円を脱税した法人税法違反の容疑で懲役2年、執行猶予4年の刑が確定した三崎優太氏)がいるのですが、(三崎さんと同じように)『どうせネタでしょ?』と言われました。それ以外にも、お金と一緒に周囲の人がスーッと僕のもとを去っていった。『金の切れ目が縁の切れ目』とはこのことを言うのだと実感しました」

 妻が所有する高級車・フェラーリや自身が所有する高級時計を売ろうにも買い手がつかない。「ファイトマネーだけで返済できる額ではなく、僕みたいに派手なイメージの選手はスポンサー収入も期待できないので……」ということでYouTuberとしての活動も始めた。「サラちゃんに頼ればいいじゃん」という突き放したコメントにも心を痛めたという。

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■脳裏をよぎった父親の事業失敗と家族離散
 株取引で損失を出した瞬間、真っ先に脳裏をよぎった忌まわしい記憶が久保にはあった。久保の両親は久保が中学三年の時に父親の事業失敗を受け、離婚をしている。同じ道を辿るのか、と覚悟を決めたという。

 事態が深刻であったため妻には報告できず、関係者やファンにツイッターで報告した。妻からの連絡に返信せずにいると、妻はSNSを通じて「久保優太を発見したら100万円」という驚きの行動に打って出た。観念した久保はYouTubeで事情を説明。その後、頭を丸めてから妻に連絡を取った。

「あれって、本当? ネタでしょ?」
「いやいや損したよ」
「またゼロから頑張ればいいじゃん」

 妻の反応はあまりにも呆気なかった。それについて久保は「サラちゃんはお父さんの部屋にあるお金を数枚だと発覚しやすいから、束でとってお小遣いにして育った金銭感覚の持ち主。ある意味、そこが僕の持ってるところかもしれない(苦笑)。彼女が妙に落ち着いていたので、僕も落ち着くことができました。救われました」

 今後は高級マンションから引っ越しをし、間もなくAbemaTVで始まる格闘リアリティ番組『格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR』の監督として教え子たちとともに、アパートに同居しながら、文字どおりゼロからのスタートを図るつもりだ。
 

■ファイトマネーはアルバイト感覚の副収入
 前述のとおり、久保はK-1の現王者でもある。6月にはK-1デビュー以降「日本人無敗」を誇るKRUSHのスーパー・ウェルター級王者、ジョーダン・ピケオーからタイトル戦を直訴されている。そんな久保が描く復活のシナリオはやはり、格闘家としての復活なのか。それとも、あくまでも“闘う投資家”としての復活も目指すのか。久保の口からは意外な答えが返ってきた。

「今までK-1の試合を行うときにファイトマネーの交渉を行ったことが無いんです。それどころか、契約書はほぼ読まないので、金額を確かめたこともありません」

 久保は最初から格闘技で食べていくとは考えておらず、本人曰く「アルバイト」感覚。だから「アルバイトが給料の交渉をするというのも変なので」と笑う。「8歳から始めた格闘技は好きだし得意。それに脚光を浴びることもできるので」とも。ただ、これからはそうも言っていられない。

 ファンの反応は「格闘技で復活してください」「株で復活してください」が半々だというが、「株は元手が無いと復活できない(増えない)ので、まずは借金を返さないと。ただ、やり方(増やし方)を知っているので、仮に100万あれば一発逆転も可能なんですけどね」と話す。やり方を知っている久保は普段、3千万から5千万の取引を主に行っていた。しかしその日は、“負けられない”とムキになって2億ほど突っ込んでしまった。

「格闘技も株も、冷静さを失ったらダメですね。危ないと思ったらパッと引いて損切をしないと……今回の件でネット上では数えきれない誹謗中傷を受けました。『ざまぁみろ』と思った人も多いと思いますけどね……」
 

■成功の仕方、努力の仕方は心得ている


 久保は株も格闘技も「成功の仕方、努力の仕方を心得ている」と話す。試合が決まらないと練習を開始せず、その間の練習はほぼ行わない。にもかかわらずチャンピオンまで上り詰めた久保は異端児と言えるが、その強さの秘密は、彼の独特なアプローチにある。

 朝9時から午後15時まで株取引のため5台のモニターの前に座りっぱなしの久保は、そのうちの1台のモニターで常に様々な格闘技の試合の映像をウォッチしている。選手の動き、攻撃・防御パターンなどを日々インプットし、新しい発見を練習で自分のモノにする。「選手としてのピークは終わっているので、経験則とロジックが重要になる」というのがその理由だ。さらに「練習量は少なくても、格闘技に割いている時間は誰よりも多い。練習も試合も最短距離でモノにするプロセスは心得ているつもり」と自信をのぞかせる。

 ちなみに以前は金髪がトレードマークだったが、現在は丸坊主。反省の意味を込めて自分で刈った結果、段々になってしまったので「中学生の時以来、1000円カットに行きました。数万円する表参道の美容院もいいですけど、1000円カットも悪くないですね」と苦笑いを浮かべた。

「世間は、他人は冷たいですね」としみじみ漏らした久保は、「また頑張ればいいじゃん」という妻の言葉に背中を押され、どん底からの再起を狙っている。

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