カブドットコム証券がAPI基盤にAWS採用、次世代のFintechプラットフォームで多様な協業が可能に
近年、Fintech(金融+テクノロジー)の進展とともに、API(Application Programming Interface)連携を通じたサービス協業が新しい金融サービスを成長させるカギになるという考え方が浸透。グループのMUFGは業界に先駆けて銀行サービスのAPI公開を含むAPIプログラム「MUFG{APIs}」を公表。Fintechスタートアップとの協業によるオープンイノベーションの機会を積極的に求めるとともに、「クラウドファースト」を掲げて、クラウドの利用を前提としたシステムの開発・実装・運用を志向し始めた。MUFGのCIO兼CDTOの亀澤宏規氏も、今回のAWSの採用について「MUFGが進めるクラウドファーストの動きの中で、意義のあること」と評価している。
カブドットコム証券は、既に2012年から株式・先物・オプション取引に対応したAPI環境として「kabu.com API」を提供開始。既に、プロップファーム(自己勘定で売買する投資専門会社)や投資助言事業者など約50社が活用している。「日本の証券業は、参入障壁が比較的高い事業だが、それは一般的に事業者に提供されている証券売買システムが大手証券系の伝統的で堅牢なシステムが強く、初期費用に莫大な資金が必要だからだ。ところが、APIで、しかも、クラウド上にAPIのシステム基盤があれば、異業種からの証券参入は容易になり、撤退リスクも小さくなることから従来の発想にないユニークなサービスの開発も進みやすくなる」(齋藤氏)とAWSの活用に踏み切った。
AWSに証券システムを乗せることによって、今後の取引ボリュームの拡大等に対する処理容量の拡張などの心配がいらなくなる、また、高度化するセキュリティリスクへの対応コストも軽減される。API基盤の運用費用は、従来の2分の1程度に抑えられるという。さらに、AWSには、認証ツールなど様々な開発パーツが多いなど、システム開発者にとっての利便性も高い。「システム基盤の移行は、APIのハードユーザーにも参加してもらって進めたが、パートナーの中にはすでにAWSを使っている事業者も多いこともあって、非常にスムーズに作業が進められた」(同)という。
カブドットコム証券では、今回のAPI基盤刷新を機に、幅広い事業者との協業の可能性を探るとしている。齋藤氏は、「貯蓄から資産形成へという流れを加速させるためにも、従来の発想にとらわれない柔軟な資産運用サービスの登場が望まれる。API連携によって、オープンな開発を進め、革新的なサービスの誕生を後押ししたい」と新しいプレーヤーの登場に期待をにじませた。(写真は、左からMUFGの亀澤宏規氏、カブドットコム証券の齋藤正勝氏、アマゾン ウェブ サービス ジャパン社長の長崎忠雄氏)
