5年前、覚せい剤所持容疑で現行犯逮捕された高相祐一(たかそう・ゆういち)。当時、妻だった酒井法子さんも同じ容疑で逮捕され、世間を騒がせたことは記憶に新しい。

そんな高相氏が、前回の独占インタビューでは元妻・のりピーとの現在の関係と思いを告白。そして今回は、薬物回復施設ダルクを出てからの2度目の逮捕や、ASKA元被告との出会いなど、“その後”のことを明かした。

■2度目の入院でASKAと出会う

―薬物依存から脱却するための施設である、ダルク退所後の2012年6月、今度は麻薬取締法違反で逮捕されました。

高相 あれは3週間後、処分保留で釈放されたんですけどね。AMTという薬物を違法と知らないで注文してしまった。キャンセルしたんですが届いてしまい、荷物を受け取った父が警察に通報しちゃったんです。

―では、退所した後は実家に戻っていたんですね。

高相 お金も仕事もなかったですから。ただ、何もやることがなくて、遊び仲間とも会うなと言われ、サーフィンにも行けないし。そうすると精神的にも煮詰まってきて、部屋で合法ドラッグをやってしまう。完全な悪循環に陥(おちい)っていました。それで、2度目の逮捕をきっかけに、周囲に勧められて精神科病院に入院して、3ヵ月の薬物依存治療プログラムを受けることになったんです。

でも、閉鎖病棟での治療だから、ダルクと比べてもかなりキツいです。世間から隔絶されて、楽しいことは何もない。早く退院したいという気持ちだけでしたが、3ヵ月、ドラッグに手を出さないで済みました。

―退院してからは?

高相 新宿のマンガ喫茶に泊まって職探ししたけど、全然、仕事が見つからない。ヘルスや風俗案内所にも面接に行ったんですが、名前を伝えると「一日、待ってくれ」と言われて、結局、断られる。ほんとに追い込まれて、「あ、オレ、女好きだった」と思いついて、AV男優ならなんとかなるかと電話しましたが、まったく相手にしてくれなかった。

名前を言えば、企画モノとかで使ってくれたかもしれませんけど、そこまでやるのはどうかなって。それで500円しかなくなったとき、入院仲間から千葉の合法ドラッグ屋で働かないかという話がきたんです。

―でも、そういう店で働いたら、またドラッグをやりたくなってしまいませんか?

高相 とにかく働きたかった。結局、商品知識も必要ですから、いろいろ試してみましたけどね(笑)。オレ目当てのお客さんもついて、本当に天職だと思ってました。ただ、合法ドラッグがだんだん社会問題化してきましたよね。それで店を辞めて、実家に戻りました。でも、やることもないので、また部屋に引きこもって、合法ドラッグにまたハマるという悪循環に陥っちゃった。

―懲りないですね…。

高相 ですよね(笑)。合法ドラッグも規制逃れのために成分がどんどんハードになってきて、オレの言動もおかしくなってきた。そんなとき、息子に何げなく「おまえ、パパのこと嫌いだろう?」って聞いたんですよ。そうしたら、「パパはパパなんだから、嫌いになるわけない」と言ってくれた。それで、このままではいけないって2度目の入院をしたんです。

―また閉鎖病棟ですか?

高相 去年の5月から3ヵ月間でした。つらかったけど、今回は入院仲間の友達がたくさんできたんです。ASKAさんとか作家の石丸元章(いしまるげんしょう)さん、元神奈川県議の横山幸一さん(2014年7月に違法ドラッグ所持で逮捕)も一緒で、ドラッグ界のスーパースターが集まっていました(笑)。

―確かにメンツは豪華ですが…。ASKAさんとはどんな話を?

高相 初対面で「昔、のりピーの曲をいくつか作曲したんだよね」と言われて、「元嫁がお世話になりました」なんて挨拶して(笑)。すぐに仲良くなれました。退院してからは、連絡先も知らないし会ってませんけどね。

―2度目の退院後は、合法も含め、ドラッグを断つことはできましたか?

高相 たまにやりたい気持ちにはなったりしますが、合法でいいものがないんですよね(笑)。それに、最近はドラッグがらみの事件が増えてるから、合法だからってやらないほうがいいという。

それよりも、オレはやっぱりサーフィンが一番なんです。今は2週間に1回くらいしかいけてないけど、仕事をきちんと始めて生活を取り戻して、昔のようにやりたい。

もうサーフィンを仕事にはできないかもしれないけど、他人から何を言われようと、ハッピーでいることも一番自分にとって大切なことだと思います。

―では、今後は?

高相 実家を出て、バーテンダーの仕事に就こうと思ってます。3月に子供の中学の卒業式があるんですが、胸を張って出席できるような父親になりたいです。

(取材・文/羽柴重文 取材協力/石丸元章 撮影/関 純一)