4月11日、ドルトムントはアウェーの地で現在3位のボルシアMGに挑む。4日のバイエルン戦(0−1で敗戦)に続き、上位チームとの対戦が続く。

 ミッドウィークのドイツ杯準々決勝、ドルトムントはホッフェンハイムを延長の末に3対2で破り、ベスト4進出を決めている。バイエルン戦で後半途中出場だった香川真司は、先発して120分間フル出場。まさにヘロヘロの状態で試合を振り返った。

 2対2で延長戦に突入すると、クロップ監督から香川に檄が飛んだ。

「もっとボールを受けて、逆サイドに散らしていって、シュートに関わるボールをもっと質を高めて(プレイするように)と、言われました」

 その口調からはもどかしさが伝わってきた。今季ここまで本調子とは言えない香川だが、指揮官が香川に対してどのような要求をしているのか、伝わってくることはほとんどなかった。この日は思いがけず、その一端が垣間見られた。

 試合は前半19分にドルトムントがDFスボティッチのゴールで先制。だが2分後に同点弾を浴びると、9分後には先制点をあげたスボティッチのミスから逆転される。迎えたハーフタイム、クロップは選手たちに足元を見つめさせた。

「ミス絡みの失点で......。でもこれが今年のチームの現状だと監督も言ってました。ただ後半追いつくのが大事だったので、結果的に追いつけましたし、よかったと思います」

 後半に入っても苦戦は続いた。プレッシャーをかけられ、中盤でボールを失うと、一気にゴール前に運ばれた。だが、それは相手が良かっただけでなくて、自分たちに欠けていたものがあるからだ、というのが香川の見方だ。

「相手のカウンターも鋭かったですし、守備もすごく引いていた。でも、もうちょっと僕たちもボールを前に運んで、ラスト3分の1でボールを組み立てていかなければいけなかったんですけど、最後のところが雑だったり、精度を欠いていてなかなかうまくいかなかったです」

 香川自身も多くのチャンスに恵まれながら、スタンドのため息ばかりを誘った。前半40分には右サイドのMFブワシチコフスキーからグラウンダーの折り返しに走り込む。だがファーストタッチは流れ、その後のマイナスのパスもディフェンダーに阻まれてシュートに到らない。66分、FWオーバメヤンからの縦パスに抜け出してフリーになるが、やはりディフェンダーに寄せられてシュートもパスも選択できない。71分にもオーバメヤンからのパスをゴール前で受けるが、香川はワンツーを選択。オーバメヤンは香川がシュートを打つものと思いこぼれ球につめようとしており、タイミングが合わなかった。

 とにかくシュートを選択しないことで、香川がゴールから遠ざかるだけでなく、周囲との連係が乱れるのだ。香川自身にもその自覚はある。

「ずっと言われていますけど、僕自身、やはりシュートへの意識というのは課題です。まあ(その時その時の)判断なので、口で言うのは簡単なんですけど......。そこはやっぱり意識してやり続けるしかない。それくらいしか言えないです」

 後半、オーバメヤンのヘディングで同点に追いついたドルトムントは、延長後半に入った107分にDFケールのボレーシュートが決まり何とか勝ち越した。タイトルの可能性を残したという意味では、価値のある勝利ではあった。

 香川自身、厳しい状況に変わりはない。とはいえ勝ち続けることでしか、内容は改善しないしチャンスが得られないのも確かだ。MFロイスがケガのため、ボルシアMG戦もトップ下での先発が予想される。

了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko