By Nicolas Raymond

Amazonを辞めてGoogleに就職した元社員に対して、就職時に締結した契約違反を理由に再就職を阻止するべく差し止め訴訟をAmazonが提起したことが明らかになりました。シリコンバレーなどのハイテク企業では転職が日常茶飯事なので、企業が秘密協定を締結して引き抜きを予防したり、あらかじめ従業員を契約で縛ったりという手段が良く採られますが、その有効性については議論があるようです。

Amazon sues former employee for taking Google cloud job, in new test of non-compete deals - GeekWire

http://www.geekwire.com/2014/amazon-sues-employee-taking-google-cloud-job-new-test-non-compete-laws/

Amazonが訴えたのは、かつてAmazon Web Servicesの部門の戦略的パートナーシップマネージャーの地位にあったゾルタン・シャバディ氏。Amazonによると、シャバディ氏はAmazonのクラウドコンピューティング事業でマーケティング戦略全般に直接関与していたとのこと。そのシャバディ氏はAmazonを辞めた後、Google Cloud Platform部門への就職が決定したところ、Amazonがシャバディ氏の転職に待ったをかけたのが今回の訴訟というわけです。

これはシャバディ氏のFacebookページ。プロフィール上は、まだAmazonで働いていることになっています。

訴状によるとAmazonは、シャバディ氏と雇用契約を結ぶにあたって「退職してから一定期間はライバル企業へ就職しないこと」を約束する「非競争条項」に同意したにも関わらずシャバディ氏がAmazon退職後にただちにGoogleに入社することはこの条項に反していると主張しています。

一方、シャバディ氏はGoogleとの間で入社後6カ月間はAmazonで働いていたころの顧客ならびにAmazon従業員を勧誘しない旨、合意していると主張。しかし、Amazonはシャバディ氏がGoogleと交わした「自主規制」は、Amazonとシャバディ氏が締結した非競争条項を十分に満たしていないと反論しています。

Amazonは2012年、当時のAmazon Web Servicesの副社長であったダニエル・パワーズ氏がCloud Platform SalesのディレクターとしてGoogleへ転職した際にも訴訟を起こしており、同訴訟でAmazonは、「パワーズ氏がAmazon退職後、18カ月間、直接的・間接的にAmazonのクラウドコンピューティング事業と競合するGoogleのあらゆるクラウドコンピューティング事業での活動を禁止すること」を求め、最終的に「9カ月間、パワーズ氏がGoogleでのクラウドコンピューティング事業での活動とAmazonの顧客との接触を禁止する」旨の判決をゲットしています。

By DES DaughterもっともGoogleのお膝元であるカリフォルニア州では、「ハイテク企業における非競争条項が無効である」という判断が繰り返し出されていることもあって、Amazonとシャバディ氏の訴訟は、あらためてハイテク企業の雇用に伴う非競争条項の有効性を占う試金石として注目されています。