大陸に潜伏の手配犯、“統一”パンフ手に帰台  3時間で保釈

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(台北 30日 中央社)台湾マフィア「竹聨幇」初期メンバーの1人で17年間中国大陸に潜伏していた指名手配犯、張安楽(65、右2)が29日午後、自ら帰台し逮捕された。厳戒体制の台北松山空港に降り立った張容疑者は、両岸統一を主張する冊子を手に、待ち構えた報道陣に笑顔を見せた。台北地検は3時間ほど取り調べた後100万台湾元(330万円)で保釈、“白狼”(張容疑者の通称)はホテルでの晩餐を楽しんだ。

“白狼”は1984年の江南事件【注】の内幕を暴露したことで知られる。違法薬物密売で85年からアメリカで服役し95年に帰台、台北地検が恐喝や組織犯罪防制条例違反などで起訴準備を始めたため翌年中国大陸に逃亡し、97年に指名手配となった。

張容疑者は、米での服役中に組を抜けたとして恐喝や有価証券偽造などの容疑についてはいずれも否認、また「理念を実現し、政治を語るために戻ってきた」と述べ、検察官に対し両岸の平和的統一と一国二制度を主張する冊子を高く掲げて見せたという。

取調べを終え台北地検を出た張容疑者は、「(保釈は)意外だが満足している」と台湾の司法を絶賛、地検付近の有名進学校で母親がかつて教師をしていたことなどを懐かしそうに話し、生まれたばかりの孫を抱き上げ晩餐会の会場へと向かった。

竹聯幇は、四海幇とともに台湾を二分する外省系(国民党とともに戦後に中国大陸から渡台したグループ)マフィア。張安楽はこの年代のメンバーとしては珍しい高学歴で、台湾の有名私立大学で学位を修め米スタンフォード大修士にも在籍していた。

【江南事件】「江南」の筆名で当時の蒋経国総統の秘話などを発表していた外省系米人の作家が、1984年に米で竹聨幇幹部らに殺害された事件。張安楽が背後に台湾情報当局の意向があったと暴露。

(編集:高野華恵)