「個人投資家応援証券評議会」が活動開始! ネット証券+対面証券の社長が声を揃えたこととは?
11月1日に発足した「個人投資家応援証券評議会」が、11月5日に第1回の会合を開いた。その後に開かれた共同取材には、証券会社14社の代表者が出席、評議会として、またそれぞれの会社の立場からの意見を述べた。
個人投資家応援証券評議会は、個人投資家の目線で証券市場の活性化や制度の改革を提言していくことを目的に、日本証券業協会内部に発足した組織だ。11月5日現在の参加証券会社は20社(次ページ下段の表を参照)にのぼる。
評議会発足の背景や、個人投資家に関わる制度の問題点などは、評議会議長に就任した松本大・マネックス証券社長へのインタビュー記事を参照してほしい。
(参考記事:「個人投資家応援証券評議会」発足 議長の松本大マネックス証券社長に聞いた!)
個人投資家の株式投資を取り巻く8つの課題
第1回会合には、20社のうち15社が集まった。日本の証券市場のなかで個人投資家を取り巻く問題意識の共有と、評議会として今後取り組んでいくテーマを議論したという。具体的には、次の8項目を中心に議論していくことになった。
1 公募増資
2 インサイダー取引
3 信用取引ルール
4 取引所に対する規制全般
5 銘柄推奨の規制など
6 税制
7 次世代の資産形成
8 証券投資普及の環境作り
項目だけでは具体的に何をしていくのかはわかりにくいが、今後証券業協会内での議論を経て順次提言等の形で発信されることになる。議論の課程や評議会の活動については、日本証券業協会のWEBサイトや、各社のホームページ等を通じて公開していくという。
「この評議会での議論の結果は、日本証券業協会の中で上位の会議である『証券戦略会議』に議題を挙げることになる。協会内では、これまで個人投資家の意見を代弁する力が弱かったが、この評議会からの意見であれば発言権は強まると思っている」(評議会副議長の石井登・立花証券社長)
大手証券は株式発行企業の側についてしまった
8つのテーマの中でも、評議会が大きな問題意識を持っているのが、大規模な公募増資によって株価が下落し、個人投資家が大きな損失を被るケースだ。
「公募増資を担う大手証券は、資本市場の中で自社が利益をあげるために、発行体の方を向いて仕事をしている。対してこの評議会のメンバー企業である対面証券、ネット証券は、100%個人投資家の方を向き、資産運用の世界で仕事をしている。この違い、意識の開きが明らかになってきたので、個人投資家からの意見を発信できる場を設けなければいけないという機運が高まった」(森中寛・光証券社長)
発行体=上場企業ということだが、上場企業の公募増資を請け負う大手証券にとっては、個人投資家との間で利害の対立が生じてしまうが、結果的には自社の利益を優先せざるを得ないということだろう。
ネット証券や個人投資家のみを顧客にした対面証券会社が、この件に問題意識をもっていても、日本証券業協会内の既存の評議会では、議論が深まることはなかったという。
「これまでは、市場の20%を占める個人投資家よりも、ビジネスがより大きな株式発行企業の利害が議論の中心となってきたのではないかと感じている。埋もれがちだった個人投資家の意見がしっかり出せる場として、この評議会が発足した意義は大きい」(楠雄治・楽天証券社長)
