ベテラン新聞記者に聞く、「上手なメモの取り方」

写真拡大

人の話を聞いてメモを取ることは、仕事をする上での基本中の基本。でも、相手の話すスピードが速くてペンが追いつかなかったり、後で読み返しても何が何だかわからなかったり。うっかりしてると「何度言ったらわかるんだ!」なんて上司から大目玉をくらう羽目になることも。どうしたらいいんでしょう? 誰か教えて!

今回のちょいたつ(ちょい達人の略)は、デスクとして現場を仕切った経験もある四十代後半のベテラン新聞記者、森下さん(仮名)。「若い部下はICレコーダーを使っているけど、自分は断然メモ派」と話す森下さんに、上手なメモのとり方を聞きました。

■まずは道具の選び方
早速ですが、どんなノートとペンを使っていますか?

「私の場合はA5の大学ノートで、行の高さは7mmとやや広めのものを使っています。新聞記者はたくさんメモをとるのでA5のノートを使っていますが、一般の社会人の方は手のひらサイズのもので大丈夫だと思いますよ。書くのはボールペンです。鉛筆は滑りやすくて書き心地はいいのですが、芯が折れることもあるので、あまりお勧めはできないですね」

たしかに、途中で芯が折れたら会話メモが中断してしまいますもんね。

■秘技! ページ分割法
「今まで試したテクニックは二通りありまして、一つ目はページの真ん中に縦線を引き、1ページを縦2列に分割して使う方法です。横長にメモするとどうしても余白が増えて、スペースを有効活用できないんですね。ページをめくる回数が増えるとそれだけ時間をロスすることにつながりますし。この方法なら文字でぎっしりページを埋めることができます。線に合わせてこまめに改行することで、テンポよくメモすることができるようになりますよ」

なるほど、これは達人ならではの知恵ですね。

「二つ目は、ページの左から3分の2の部分に縦線を引くテクニックです。左側の広いスペース(3分の2の部分)には会話をメモして、右側(3分の1の部分)には気になったキーワードを抜き出しておくと、質問もスムーズにできます。また、相手の会話が前の話題に戻ったときには、ページをさかのぼり、右側の余白に続きを書くというテクニックもあります」

キーワードを抜き出しておけば、後から見返すときも分かりやすそうですね。

■すべてメモするのはNG
逆に「これをしてはいけない!」ということはありますか?

「すべての言葉をメモしようとすることですね。人は無意識に同じことを話しているものなので、重複する言葉は思い切って捨てましょう。逆に、大切なことを言っている場面では、一語一句もらさずにメモする必要があります。大切なのはそれをどう見極めるかです」

どうすれば見極められるようになるんですか?

「それは、もう経験を積め! としか言えないですね(笑)」

■ひとことアドバイス
「これは新聞記者に限ったことではなく、社会人の常識として5W1Hは間違わないようにメモすることが重要です。不安な場合はもう一度聞き直しましょう。社内連絡でも5W1Hが抜けているとトラブルのもとになったりしますからね。頑張ってください!」

フレッシャーズにとっては、毎日の業務が勉強。上司や取引先の人に言われたことをメモして、実行に移すことが何よりも大切になります。上手なメモの取り方をマスターして、ライバルたちと差を付けたいものですね。

(宮崎智之/プレスラボ)



■関連記事
事件は会議室で起きている!? 珍事件42話
うちの会社、ここがヘンなんです。全117話
未熟だなぁと思うことランキング