中学受験後に親を悩ませる、子ども同士の「金銭感覚」のリアル。1回1万円超のディズニーなど、エスカレートするお小遣いの要求に親はどう向き合うべきか……。(画像出典:PIXTA)

写真拡大

ある生徒は桜蔭や豊島岡を目指していましたが、ご縁がなく、第三志望の中堅の女子校に入学しました。

「塾の先生から『入学して友達ができれば、楽しく過ごせますよ』と言われていましたが、本当にその通り。本人は部活にも入り、毎日明るく通っています」とお母さま。

【画像】「お金持ち」なイメージがある大学ランキング! 1位は?

軍資金1万2000円? 入学早々ディズニーへ行く娘

しかし、入学して間もなく、娘がうれしそうに「友達とディズニーランドに行ってくる!」と言い出したそうです。

これにお母さまは困惑。

「今のディズニーは信じられないくらい値上がりしています。しかも飲食の持ち込みができないから、現地での出費もかさむ……」

実際、土日の場合、中学生の1デーパスポートは8200円。現地での飲食代に最低2000円、さらに交通費を加味すると、1回の軍資金として最低でも1万2000円は飛んでいきます。

「身の丈に合わない」と憤る母、諭す夫

お母さまはこう憤慨します。

「中学に入ったばかりの子どもに、そんなお金のかかる遊びをさせるべきなのか疑問でした。映画に行くとか、東京ドームシティの遊園地に行くとか、もっと身の丈に合った遊び方があるはずでしょう」

そこで娘に「ママがダメって言うから行けないって断りなさい」と言いかけたところ、旦那さまから待ったがかかりました。

「同僚の公立中学に通う娘さんも、普通に友達同士でディズニーに行っているらしいよ。私立だからぜいたくってわけじゃなく、今の時代はこれが普通なんだろう。入学直後で友達と仲良くなりたい時期なんだから、今回は行かせてあげたら? もし頻繁に行きたがるようになったら、そのとき注意すればいい」

結局、夫に説得され「今回だけ」という条件付きで行かせることにしたそうです。「今後は1万円以上かかる遊びに行くときは、必ず事前に相談すること」というルールを言い渡して。

世帯年収2000万、「ポテトで満足」だった母の違和感

実は、この「娘が入学早々ディズニーに行くなんて!」と怒っていたお母さま、ご自身も大企業勤務で年収1000万円を稼ぎ、世帯年収は2000万円を超えるハイエンド層。そして、ご自身も私立の伝統校出身です。

「私の通った学校は校則が厳しくて、中学の頃は寄り道すらしませんでした。高校生になってようやく、塾の前に友達とロッテリアのポテトをつまむのが精いっぱいのぜいたく。だからこそ、娘が中学1年から大金を使った遊びを『当然』という態度で要求してくることに、どうしても違和感があるんです」

子どもにお金をどこまで与えるかは、世帯年収の多寡ではなく、完全に「家庭の価値観」によります。どれだけリッチな家庭でも、お小遣いをもらえない厳格な親を持つ子どももいます。

「恥をかかせたくない」親が子どものカモになる瞬間

一方で、X(旧Twitter)を見ていると、「娘が同級生とディズニーに行く。お金持ちの子もいるだろうから、恥をかかないように多めにお小遣いを渡した」とポストするアカウントもあります。

こういうご家庭は、親自身が私立校の経験がないケースが多く、「私立=金持ちばかりだから、付き合いにお金がかかるはず」と思い込んでいる節があります。

しかし、この「ねだられたら多めに与える」をやっていると、子どもは「うちの親は言えばお金を出してくれる」と学習し、要求のエスカレートが始まります。

何千円もする高級パフェの店に「みんなで行くから、行かないとハブられる」と言い出したり、高額な海外研修に「私だけ行かないのは惨め」と泣きついたり。

こういうとき、親自身が私立出身であれば、「数千円のパフェに付き合わないと仲間外れにするようなグループなら、そのグループに問題がある」と諭したり、「みんな行くって本当? クラスの何人が行くの? こんな高い研修、普通は行かせられない」と冷静に突っ込んだりできるのです。

「パパ活かよ!?」夫から小遣いを引き出していた娘の末路

あるママは、深いため息をつきながらこう証言します。

「うちの夫は学歴コンプレックスがあり、ゆえに中学受験にのめり込みました。娘は第二志望の女子校に入ったんですが、入学後、なんと私に隠れて夫からお小遣いを巻き上げていたんです。

中3にもなると、放課後にスタバでフラペチーノを飲んだり、Gong chaでタピオカミルクティーを飲んだり。1回に700円ぐらいかかりますよね。

それを週に2回やればそれだけで月に6000円。他にもいろいろおねだりしていたようで、夫から月に1万5000円以上ももらっていました。私が渡している正規のお小遣いとは別に、です」

この「夫から娘への送金」が発覚したのは、高校1年の夏。娘が突然、「地方で開催される『歌い手(ネットアイドル)』のコンサートに行く」と言ってチケットを出してきたときでした。しかも、現地のホテルまで予約・支払い済みだったのです。

「チケット代8500円に、往復の新幹線代、宿泊費。中高生がどこからそんな大金を出したのかと問い詰めたら、犯人は夫でした。夫を小突いたら『だって、同級生もみんな行くって言うから……。お嬢様学校だし、そういうものかなと思って』と言い訳されて。

「パパ活かよ!? と思いました。オジさんをだましてお金をとっているんですからね。双方に厳重注意をしました」

こうならないように、子どもの動向には気を配った方がいいようにも思えます。この記事の執筆者:四谷 代々 プロフィール
塾の偏差値表やパンフレットには載らない、学校ごとの「カラー」や「本当の校風」を熟知する中学受験関係者。しがらみのない立場から「塾や学校が親に絶対に言わない不都合な真実」を発信する。(文:四谷 代々)