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コーヒー1杯で、砂糖10本──。

ドトールコーヒーの利用者が目撃した“ある女性客のふるまい”が、SNSで波紋を広げている。

投稿によると、隣に座っていた女性客が、店内のスティックシュガーを10本ほど手に取り、1本だけ使って、残りをリュックにしまったという。

この投稿はThreads上で拡散され、「スーパーで袋とか醤油とかをいっぱい取って行く人もいますね」「スーパーで肉を買っていないのに、すき焼き用のサービス牛脂を手づかみでゴボッと持ち帰る人とかも居ますからね」など、共感や嫌悪感を示す声が相次いだ。

なお、同じものを使用しているか不明だが、ドトールでは1本3グラムのスティックシュガーをオンラインでも販売しており、50本311円(税込)となっている。

こうした行為は法的に問題ないのか。刑事事件にくわしい石井龍一弁護士に聞いた。

●「無料」でも無制限ではない

──コーヒー店の砂糖を大量に持ち帰る行為は、窃盗罪にあたりますか。

場合によっては、窃盗罪にあたる可能性があります。

もちろん、店側としては、コーヒーに入れるために客が1〜2本程度使うことは想定していますし、人によっては数本使うこともあるでしょう。そのため、通常の利用をしただけで、直ちに問題になるわけではありません。

ただ、最初から自宅で使う目的で10本、20本と持ち帰ったり、使わない分まで繰り返し持ち帰ったりする場合は、店側が想定する利用方法を超えていると考えられます。

そうしたケースでは、「無料サービスを利用している」のではなく、「勝手に持ち去っている」と評価され、窃盗罪が問題となる余地があります。

●「ご自由にお使いください」でもセーフとは限らない

──「ご自由にお使いください」と書かれている場合でも、窃盗罪が成立する可能性はありますか。

たとえ「ご自由にお使いください」と表示されていたとしても、それは「何本でも自由に持ち帰っていい」という意味ではありません。

通常は、「店内で飲食する際に必要な分を使ってください」という趣旨でしょう。

そのため、コーヒー1杯に対して数本程度であれば想定内でしょう。しかし、明らかに使い切れない量を持ち帰る場合は、店側の了承の範囲を超えていると考えられます。

たとえば、「1本だけ使って残りをまとめてバッグに入れる」「自宅用として何日分も持ち帰る」といった行為は、法的にも問題視される可能性があります。

「無料で置いてある物」でも、利用目的には一定の限界がある──その点は理解しておく必要がありそうです。

【取材協力弁護士
石井 龍一(いしい・りゅういち)弁護士
兵庫県弁護士会所属
事務所名:石井法律事務所
事務所URL:http://www.ishii-lawoffice.com/