ACL2決勝で実現した“プロを目指すきっかけ”との邂逅…G大阪22歳FW南野遥海がブレイク完遂の逆転2発「目標に頑張っていきたい」
[5.24 J1百年構想第18節 清水 1-2 G大阪 MUFG国立]
1週間前に対峙した“憧れの存在”にも刺激を受け、ガンバ大阪の若きストライカーが国立競技場のピッチに舞った。FW南野遥海は0-1で迎えた後半15分、1トップのポジションで途中出場。わずか1分後にファーストタッチのヘディングシュートで同点弾を決めると、同30分にもクロスに飛び込み決勝点を挙げ、鮮やかな逆転2発で地域ラウンド白星フィニッシュに導いた。
ファーストチャンスを逃さなかった。後半16分、右サイド起点の攻撃が左サイドへと渡ると、南野はゴール前の局面に照準を合わせて駆け引きを始めた。「初瀬選手が追い越しているのが見えて、あそこにボールが通れば絶対に決まると思っていた。あとはポジショニングで相手の前に入るのを意識していた」。想定どおりのクロスがDF初瀬亮から送り込まれると、完璧な反応でヘディングシュートを沈めた。
ゴール自体の手応えは「初瀬選手のボールが良かったので彼のおかげ」と控えめだった。しかし、ゴールに至る駆け引きにはガンバ大阪の伝統が受け継がれていた。
「ユースの時に大黒コーチが『ボールが来てからも動き出せる』と言っていた。先に動くのではなく、ボールに合わせるのも動き出しのパターンにある。それが成功体験から上手くできたことで(感触を)掴めたと思う」。南野が名前を挙げたのは自身と同じG大阪アカデミー出身のストライカーで、現在奈良クラブの監督を務める大黒将志氏。ユース時代の教えが活きた同点弾だった。
さらに後半30分、今度は右サイドを攻め上がったMF名和田我空からのクロスに反応すると、右足ダイレクトシュートで決勝点。シュートは上手くミートしておらず、相手に当たったボールがゴールマウスに吸い込まれたため、「あれも俺のゴールになってるんでしたっけ?」と苦笑いを浮かべたが、公式記録では南野の得点と認定された。
この逆転2ゴールにより、百年構想リーグ7点目。「キャンプからもいい感覚を持っていたので、10点ペースの5点は最低限だと。そこからプラスアルファでどれくらい取れるかは自分の中で細かく立てていた目標なので、少しはノルマを達成できたのは良かった」と手応えを語った。
G大阪ユース時代の2022年にトップチームデビューし、今季がプロ4年目の22歳。1年目は当時J3の宮崎、2年目は当時J2の栃木SCで武者修行し、着実にプロの基準に適応していたものの、昨季はG大阪に復帰したものの、J1リーグ戦10試合1得点にとどまっており、キャリアの転機に差し掛かっていた。
今季はイェンス・ヴィッシング監督の信頼を掴み、開幕から2試合連続で先発起用されたが、当時は「結果、数字を残さないとサッカー人生が終わってしまうので、そこはより危機感を持ってやっている」と神妙な表情で語っていた南野。それでも「シュートまで行けているのであとは質だということを練習でもずっと意識していた」という努力を乗り越え、ついに15試合7得点という結果でJ1でのブレイクを掴み取った。
1週間前にはこれまでの歩みの大きさを象徴するような出来事もあった。
G大阪は今月16日、AFCチャンピオンズリーグ2決勝でアルナスルと対戦し、劣勢が続く展開ながらも1-0で勝利。2008年のACL制覇以来となるアジアタイトルを掴み取った。南野はこの試合に後半開始時から途中出場し、守備でのハードワークをベースにゴールを狙っていたが、対戦相手のエースを担ったFWクリスティアーノ・ロナウドは幼少期に「目標にしていた」という存在だった。
南野が生まれた2004年、当時19歳だったC・ロナウドはEURO(欧州選手権)でポルトガル代表で台頭しており、物心ついた頃にはすでに世界的スターの筆頭格。ピッチでの邂逅が実現するとは思っていなかったようで、「あまりそういうことをイメージして生きてきたことはなかったので、サッカーをやってきて一つ良かったことかなと思う。嬉しかった」と率直な思いを明かす。
いざ同じピッチに立ってしまえば「あの試合はとにかく優勝がかかっていたので勝てればいいかなと思っていた」という南野。試合の中ではマッチアップする場面もあり、自らの役目と必死に向き合っていたという。しかし、大会後にはC・ロナウドが2ゴールの活躍でチームをリーグ優勝に導いたニュースも目にしていたようで、南野も自らに矢印を向けた。
「俺らに負けた後も2ゴール取って優勝を決めていたので、そういうところで結果を残してきたからこそ、あの年齢までできているんだと思う。僕がこうやってサッカーでプロを目指すきっかけになった選手なので、そういうところを目標にして頑張っていきたいなと思います」。大会後の初陣はくしくも同じ2ゴール。名門期待のストライカーがアジア制覇を経て、将来のさらなる飛躍を予感させるリスタートを切った。
(取材・文 竹内達也)
1週間前に対峙した“憧れの存在”にも刺激を受け、ガンバ大阪の若きストライカーが国立競技場のピッチに舞った。FW南野遥海は0-1で迎えた後半15分、1トップのポジションで途中出場。わずか1分後にファーストタッチのヘディングシュートで同点弾を決めると、同30分にもクロスに飛び込み決勝点を挙げ、鮮やかな逆転2発で地域ラウンド白星フィニッシュに導いた。
ゴール自体の手応えは「初瀬選手のボールが良かったので彼のおかげ」と控えめだった。しかし、ゴールに至る駆け引きにはガンバ大阪の伝統が受け継がれていた。
「ユースの時に大黒コーチが『ボールが来てからも動き出せる』と言っていた。先に動くのではなく、ボールに合わせるのも動き出しのパターンにある。それが成功体験から上手くできたことで(感触を)掴めたと思う」。南野が名前を挙げたのは自身と同じG大阪アカデミー出身のストライカーで、現在奈良クラブの監督を務める大黒将志氏。ユース時代の教えが活きた同点弾だった。
さらに後半30分、今度は右サイドを攻め上がったMF名和田我空からのクロスに反応すると、右足ダイレクトシュートで決勝点。シュートは上手くミートしておらず、相手に当たったボールがゴールマウスに吸い込まれたため、「あれも俺のゴールになってるんでしたっけ?」と苦笑いを浮かべたが、公式記録では南野の得点と認定された。
この逆転2ゴールにより、百年構想リーグ7点目。「キャンプからもいい感覚を持っていたので、10点ペースの5点は最低限だと。そこからプラスアルファでどれくらい取れるかは自分の中で細かく立てていた目標なので、少しはノルマを達成できたのは良かった」と手応えを語った。
G大阪ユース時代の2022年にトップチームデビューし、今季がプロ4年目の22歳。1年目は当時J3の宮崎、2年目は当時J2の栃木SCで武者修行し、着実にプロの基準に適応していたものの、昨季はG大阪に復帰したものの、J1リーグ戦10試合1得点にとどまっており、キャリアの転機に差し掛かっていた。
今季はイェンス・ヴィッシング監督の信頼を掴み、開幕から2試合連続で先発起用されたが、当時は「結果、数字を残さないとサッカー人生が終わってしまうので、そこはより危機感を持ってやっている」と神妙な表情で語っていた南野。それでも「シュートまで行けているのであとは質だということを練習でもずっと意識していた」という努力を乗り越え、ついに15試合7得点という結果でJ1でのブレイクを掴み取った。
1週間前にはこれまでの歩みの大きさを象徴するような出来事もあった。
G大阪は今月16日、AFCチャンピオンズリーグ2決勝でアルナスルと対戦し、劣勢が続く展開ながらも1-0で勝利。2008年のACL制覇以来となるアジアタイトルを掴み取った。南野はこの試合に後半開始時から途中出場し、守備でのハードワークをベースにゴールを狙っていたが、対戦相手のエースを担ったFWクリスティアーノ・ロナウドは幼少期に「目標にしていた」という存在だった。
南野が生まれた2004年、当時19歳だったC・ロナウドはEURO(欧州選手権)でポルトガル代表で台頭しており、物心ついた頃にはすでに世界的スターの筆頭格。ピッチでの邂逅が実現するとは思っていなかったようで、「あまりそういうことをイメージして生きてきたことはなかったので、サッカーをやってきて一つ良かったことかなと思う。嬉しかった」と率直な思いを明かす。
いざ同じピッチに立ってしまえば「あの試合はとにかく優勝がかかっていたので勝てればいいかなと思っていた」という南野。試合の中ではマッチアップする場面もあり、自らの役目と必死に向き合っていたという。しかし、大会後にはC・ロナウドが2ゴールの活躍でチームをリーグ優勝に導いたニュースも目にしていたようで、南野も自らに矢印を向けた。
「俺らに負けた後も2ゴール取って優勝を決めていたので、そういうところで結果を残してきたからこそ、あの年齢までできているんだと思う。僕がこうやってサッカーでプロを目指すきっかけになった選手なので、そういうところを目標にして頑張っていきたいなと思います」。大会後の初陣はくしくも同じ2ゴール。名門期待のストライカーがアジア制覇を経て、将来のさらなる飛躍を予感させるリスタートを切った。
(取材・文 竹内達也)
