U-17日本代表は北原(右)の2ゴールなどでタジキスタンに5−0の快勝を収めた。写真:松尾祐希

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[U-17アジア杯]日本 5−0 タジキスタン/5月15日/King Abdullah Sports City Pitch C Future

 グループステージの上位2か国が今秋に開催されるU-17ワールドカップの出場権を手に入れられるU-17アジアカップ。小野信義監督が率いるU-17日本代表はグループBを首位で通過し、現地15日にタジキスタンとの準々決勝に臨んだ。

 終わってみれば、5−0の快勝。2月のバルコムカップで対戦した際は1−0の辛勝だったが、今回は後半に大量4ゴールを挙げ、4強入りを決めた。

 前半は攻め切れなかったものの、終了間際の42分にMF北原槙(FC東京/2年)のゴールで先制。それでも最後の局面を打開できなかった前半の戦いを受け、ハーフタイムにチームは軌道修正を図った。

「物足りないと思うけど、どう思う?」といった言葉で、小野監督からハーフタイムに檄を飛ばされたことでチームは復調。1−0で迎えた後半開始早々に相手CBのヒクマトゥロ・カビロフが、MF星宗介(尚志高/3年)に対して足裏を見せるタックルで一発退場したことも追い風とし、アグレッシブに攻め込んでゴールを重ねていく。

 前半にネットを揺らしていた10番の北原は、トップスコアラー独走となる今大会5得点目を後半に決め、1トップを張るFW齋藤翔(横浜FCユース/3年)もカタールとの初戦以来となる一発を決めた。攻撃陣にゴールが続々と生まれた一方で、浮き彫りになった課題がある。それが絶対的な“9番”の不在だろう。
 
 もちろん、A代表でエースストライカーを務めるFW上田綺世(フェイエノールト)のような点取り屋は簡単には現れないが、少なくとも頼れる本格派のゴールゲッターが昨年のU-17代表にはいた。FW浅田大翔(横浜FM)やFW谷大地(鳥栖U-18/3年)は180センチを超えるサイズがあり、ここぞという場面でチームを救うゴールを決めていたのは間違いない。

 しかし、今回のFW陣はどちらかというと小柄。齋藤は174センチ、FW郄木瑛人(鹿島ユース/1年)は175センチで、ふたりとも背負うプレーが得意とはいえず、現状でゴール前の迫力はやや劣る。一方で相手の背後を取る動きは秀逸で、ボックス内の動き出しは目を見張るものがある。異なる個性で攻撃を支えてきたものの、浅田や谷と比べるとシュート精度が物足りず、決定機を決め切れない場面が目立つ。

 今大会の4試合で郄木は無得点で、齋藤が2得点を決めている。とはいえ、今大会の決定機を考えればシュートチャンスを活かし切れていないのが現状だ。シャドーの北原が確実にネットを射抜いていることを考えれば、余計に決定力不足を露呈する結果になっている。

 今大会も残された試合は準決勝と決勝のみ。自らの価値を証明するチャンスはまだまだ残されている。

「得点王を狙っているので、まき(北原槙)が5点で、自分が2点は寂しい。まだ時間というか、準決勝、決勝とあるので、自分の練習からシュートの質を上げて、得点王を狙っていきたい」(齋藤)

 北原の活躍に触発されているのは確か。郄木と齋藤というふたりのストライカーには、チームを勝利に導くパフォーマンスに期待したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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